イタリア日記(1811)
イタリア日記(1811) / 感想・レビュー
ケイ
作家がここまで赤裸々に綴った物を読めることが幸せなのかは疑問。読み始めると『パルムの僧院』の登場人物たちが浮かぶ。旅行での出会いが彼の創作の元となったのがよくわかる。そして20歳前の軍隊生活での女っけのなさを嘆き、既婚婦人をものにしてやると宣言したり…。イタリアという異国で少し興奮して酔った気持ちがそうさせたのか。最後にある訳者の解説が詳しい。イタリア旅行は1811年。ウィーン会議の前。スタンダールは、ナポレオンの盛衰を間近で見ていたはずで、彼の作品にその影響がどれほどあったことかと思う。
2016/07/25
セレーナ
28歳の才知ある俺に愛を注ぐ人妻多数。彼女らの夫は妻の為に才知を使わないし、そもそもつまらない。そりゃあ若くて才知ある俺に酔っちゃうよね。俺だって別に全員に愛がある訳じゃないけど、寂しいし暇だし何股もかけちゃおう。でも俺との約束反故されちゃうと切なくなっちゃうもん。イタリアは流石に芸術の街だな、人間はあんまりよくないけど、汚いし。 っていうスタンダールの自意識過剰とイタリアへの侮辱と讃歌がダラダラと書かれていて、些か眠くなった。
2020/10/30
feodor
京都に行く際に、欧州における古都的な意味合いのイタリアでの日記を読もうか、と持っていった。ただ、なかなかイタリアには着かず、そしてスタンダールらしく、アバンチュールも大きい。ピエトラグルア夫人への恋が前面に出てくる。同時に、イタリア人とフランス人の気質の違いについてもずいぶん触れられていた。スタンダールの1817年の日記、そして旅日記、ローマ散歩なども読んだが、またしっかり読みたい。
2020/08/12
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