ヴァルター・ベンヤミン著作集 7
ヴァルター・ベンヤミン著作集 7 / 感想・レビュー
うえ
カフカ論やクラウス論所収「物語作者とはーその名称がぼくらにどんなに親しいひびきをもっていてもー現在ぼくらの脳裏に、かならずしも生き生きとした印象をもってうかんでくる者ではない。物語作者は、ぼくらにとってすでに遠のいてしまったもの、さらにいまなお遠のきつつあるものだ。レスコフのようなひとを物語作者として描くことは、だから、かれをぼくらに近づけることにならず、むしろかれとの距離を拡大することである。一定の距離をおいて眺めたときに、この物語作者を形づくっているいくつかの大きな特徴がかれのなかに優位をしめてくる」
2023/10/08
Ecriture
物語と小説の区別から初めて、それが新聞などのメディアにどう影響されていったかを考察する。メディア論としてはとても荒いが(特に諸メディアの温度に関して)、そこを逆手にとって使えそうな気がする。物語の権威を担保する要素としての「死」という切り口はちょっと考えてみたい素材。
2010/08/18
内島菫
ベンヤミンの文章は主語がなかったりするから分かりにくい。それに独特の言い回し。にもかかわらず、言いたいことが感覚的に伝わってくる。「創作の零点」とか、揺さぶられる。ベンヤミンにとっての、その作品及び作者の引っかかるところを彼は確実に掴んでいる。特にカール・クラウス論は読みにくいがためにクラウスについて興味がわき、今彼の『第三のワルプルギスの夜』を読んでいる。こっちもまた最高に読みにくい!
2013/07/02
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