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たんぽぽのお酒 (文学のおくりもの 1)

たんぽぽのお酒 (文学のおくりもの 1)

たんぽぽのお酒 (文学のおくりもの 1)

作家
レイ・ブラッドベリ
北山克彦
出版社
晶文社
発売日
1971-06-01
ISBN
9784794917614
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たんぽぽのお酒 (文学のおくりもの 1) / 感想・レビュー

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(C17H26O4)

ある時期の子供にはひと夏あれば十分だ。ものの見方が変わるには。感受性の強い子なら尚更だ。少年がおじいちゃんと作るたんぽぽのお酒には特別な季節が詰まっている。自分が生きていることを突然発見した12才の夏は死にも気付き畏れ、周りの老人たちとの触れ合いの中でそれを実感した夏でもあった。詩的で生き生きとした描写は、たんぽぽの色が放つ光のように煌めいている。夏が終わってもたんぽぽのお酒を見つめればいつでも夏が甦る。お酒の色は変わらず金色だ。けれどこのひと夏を過ごした彼にはおそらくもう同じではないだろう。珠玉の一冊。

2021/08/09

rico

10月の課題図書、ブラッドベリ。今年は本棚の奥に眠っていたこの作品を手にとりました。100年前のアメリカ、とある街のひと夏の物語。輝かしい季節に心躍らせる少年を中心に幾つかのエピソードが綴られていきます。でも、眩い夏の光の陰にそっと忍び寄る黄昏の気配が。この夏は必ず終わり、人も必ずこの世を去っていく。同じ夏は来ないけど確かにこの夏はここにあった。この日々のなんと愛おしいことか。黄ばんだページからこぼれるきらめきは、夏をとじ込めたタンポポのお酒のよう。長すぎた夏がようやく終わったこの季節。読めて良かった。

2024/10/26

(C17H26O4)

今回は原書で読むための補助として。以前のレビューは→https://bookmeter.com/reviews/100260791

2022/02/11

おMP夫人

物は壊れる、人は死ぬ 三つ数えて、目をつぶれ。そんな、昔あった歌の題名を思い出しました。全てに永遠はなく、どんなに美しく強い存在だったとしても時が経てば、いつしか朽ちていきます。形を失ったもの、もう感じる事はできない感触や感覚よりも、今、目の前にある物。それだけが重要なのかもしれません。けれど、人間には思い出があります。それはどんなに美しくても触れることはできないし、誰かに見せる事はできないけど、とても大事なもの。美しい思い出を残すためには日々、色々と感じて生きる事が大切。この物語に触れてそう感じました。

2012/11/09

ホレイシア

ちょっと他の作品と趣が違うかな。でも好きです。

2008/01/13

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