アメリカ小説をどうぞ
アメリカ小説をどうぞ / 感想・レビュー
くさてる
主に80年代の17人の作家による短篇を収録したアンソロジー。どの作品も家族の崩壊と個人の孤独を絡めていて、重苦しい読後感だけど、ところどころに少しばかりの救いと明るさがあるようで厭な後味は無かった。片岡義男による解説が、これらの小説が書かれた時代背景を丁寧に説明していて、作品理解の助けになって、とても良かったです。
2015/10/18
Ecriture
E.L.ドクトロウ、レイモンド・カーヴァー、ボビー・アン・メイソンを読了。亡父の代わりに筆を執る息子が、父方の伯母や母に思われることなく死んだ父の姿を徐々に見出していき、やがて自らの無関心・冷酷さに思い至るドクトロウの「我が家の作家」が素晴らしい。カーヴァーの、壊れてしまった家庭とそのどうでもよさを描いた「ふくろ」も良い。未練ある夫と別れたがる妻の結末を読者に委ねるボビー・アン・メイソンの「シャイロー」。
2012/12/06
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