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魔法の庭

魔法の庭

魔法の庭

作家
イタロ・カルヴィーノ
和田忠彦
出版社
晶文社
発売日
1991-09-01
ISBN
9784794923059
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魔法の庭 / 感想・レビュー

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きゅー

イタロ・カルヴィーノの初期短篇集。後期の円熟した作品群のような楽しみは得られないが、リアリスティックな物語群からは、彼らしい皮肉が感じられる。戦中・戦後イタリアの混迷した時期を舞台にしている作品が多く、カルヴィーノ自身も戦中はパルチザンとして抵抗運動に参加していたこともあり、そこで味わった恐怖や不安がこれらの物語に反映しているのかもしれない。そしてまた、倫理的な問いを発している物語が多く見られ、俗塵から身を翻してしまっている印象の彼とは大違いだ。彼の本領が発揮されているようには思えず、物足りなさが残った。

2012/05/21

星落秋風五丈原

線路を歩いていて列車をよけるためにもぐりこんだ垣根の向こうに、不思議な庭園を見つけた少年少女。忍び込んだ店の暗闇の中で、金庫よりもお菓子に魅了されてしまった泥棒達。ドイツ兵から逃げる村人達の家畜が迷い出てノアの箱船のようになってしまった森の中。そして戦争ごっこの最中に本物の軍隊に出逢った少年少女は最後に空想の師団を吹き飛ばす。

1991/10/12

桃葉

蟹だらけの船/魔法の庭/不実の村/小道の恐怖/動物たちの森/だれも知らなかった/大きな魚、小さな魚/うまくやれよ/猫と警察/菓子泥棒/楽しみはつづかない

2022/04/11

8123

収録作はどれもそっけなくて、教訓めいた説教臭は皆無で、シーンを切り取っただけのスケッチとしか感じない。因果や運命とも無縁で大きな物語へ接続する気配が希薄だ。だったらかわりに自己完結的な閉鎖的充足を感じるかというとそうでもない。終りも始まりもなくだたそういう経緯がありましたよと聞かされている。卑近な言いようをするならクサくない。幻想への逃避や内的宇宙への退却もなく、リアリスティックな道具立てなのになぜか遊離した感覚をおぼえる。あとたいてい空が青いのがいいっすね。

2021/04/12

warimachi

実は少し苦手だったが、おもしろい。どの作品にも陰があって、ユーモアもあって。またイメージを喚起する言葉の強さがあって、この人の感性の豊かさを感じさせる。

2009/06/01

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