深呼吸の必要

ふう

あゝそうだ、と心にすっと入ってくるやさしい言葉たち。その言葉に共感するのは、わたしの中にも同じような時間、同じような思いがあったからなのかもしれません。でも、この本を読むまでは、その思いは言葉になることはありませんでした。どこかに隠れていたのでしょうか。なくしてしまっていたのでしょうか。何もないけど、自由だけはたくさんあった原っぱ。傾いたお日様が遊び道具だった影踏み。長く生きて心のどこかにしまっていたものを、もう一度ゆっくり噛みしめたくなる詩集でした。

2023/07/26

Koki Miyachi

詩人長田弘の代表作にしてロングセラー。いろいろな出版社から出版されているが、晶文社版がすき。ざくざくっとした生地の良さや素材感が感じられる装丁、グリーンの柔らかい印象の文字たち、ページのゆったりとしたレイアウト。全てが長田弘の世界の重要な構成要素となっていて、どっぷり世界に浸れるのだ。

2020/12/04