食卓一期一会
食卓一期一会 / 感想・レビュー
新地学@児童書病発動中
素晴らしい詩集! 今まで読まなかったことを後悔した。食事という散文的な事の中にも、たっぷり詩情が含まれていることを教えられて、新しい世界が開ける思いだ。考えてみれば、食べることをテーマにして、詩を書くのは長田さんの真骨頂だと言える。この詩人は私たちの日々の生活を、丁寧に慈しむように書いて来た人だった。食事こそは、私達の生活の中心にあるものだ。毎日繰り返すものなので、感性が擦り切れて、食べることのありがたみを感じられなくなることもある。それを詩の言葉を使って、もう一度輝かせようとする試みがこの詩集だ。
2017/05/14
ぶち
料理を美味しそうに描写し、こちらの食欲を刺激してくる作家が何人かいます。近藤史恵、平松洋子、小川糸、高田郁など....長田弘のこの詩集に入っている詩は、料理の美味しいそうな描写というよりも何か哲学的な言葉にあふれています。それらの言葉は平易だけれども詩人の感性で磨かれているので、登場する料理や素材、調理はみな美しいのです。 味わいのある詩ばかりです。「ふろふきの食べかた」「絶望のスパゲティ」「天丼の食べ方」などなど....どれも料理と言葉がうまく合わさっていて、何度読んでも飽きません。素敵な詩集です。
2018/09/17
ロア
あたたかくて優しい、そして歯ごたえのあるきっぱりとした言葉たち。全篇食べものにまつわる、とてもステキな詩集です。ブックデザインも美しい。フォントの大きさや色、印刷のかすれ具合や紙の質。文字をさわると凸凹した手触りがして、まるで1文字ずつタイプしたかのよう。「キャラメルクリームのつくりかた」「ハッシュド・ブラウン・ポテト」、貧乏作家プディングの隠し味「ミルトンの言葉」好きだなぁ(*´ω`*)音読も楽しくできました♪ 「請吃甜!甘いものをください」が可愛い。
2016/06/23
ゆみ
長田さんの優しくも力強い詩は 急がず、慌てず、時間をかけることが 最上の贅沢だと言っているようで いつもいつも 時短ばかりを考えている私は反省しきり。 食は口福でなければない、その通り。
2018/03/10
アズル
10年ほど前に、松浦弥太郎さんの本の中で紹介されて、即刻購入した本です。いつもベッド脇に置いて、いつも寝る前に読んでいました。「朝食にオムレツを」に、カッツーンとしました。今日、久しぶりに読み返して、やはりカッツーンとしました。「言葉のだしのとりかた」も、打ちのめされます。
2015/08/03
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