世界は一冊の本
世界は一冊の本 / 感想・レビュー
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
本を読もう。もっと本を読もう。文字で書かれたものだけが本ではなく、日の光や星の輝き、鳥の声……世界そのものが見えない言葉で書かれた一冊の本なのだ……。冒頭に並ぶのは、身近な人の死をテーマにした詩。突き放したような言葉に少しだけ戸惑う。情緒的でないから何も感じていないとは限らない。レクイエムの形はそれぞれで良い。これに続くファーブルや12人のスペイン人の詩を読むと死を描く事で生が浮かび上がってくるように感じる。影が光を一層鮮明にするように。本を読むとは世界を感じて生きること。生きるとは考える事ができること。
2016/04/28
美登利
読友さんからのオススメ本。長田さんが亡くなったのは知っていましたが、彼の著作は初めてです。これは詩集だけど、立派なハードカバーでかなり重い。昔は若さゆえか、詩がとても好きで、自分でもノートに書いたりもしていました。生を産みだすとその世界からずっと遠ざかっていました。死に関連する詩が続きます。とても身近な死は若い時に経験したせいなのか、たくさん経験してきたせいなのか、死と詩は似ているような気がする事から逃げたかったのかもしれない。改めて思い知らされた感じがします。
2016/05/12
キジネコ
実感のない生の最中には、死神に手を曳かれて この世界から去った誰かの事を知らされても、僕の順番が回ってくるなんて100%考えなかった。でも今は違う。傍に何時も死神が居て「死体をかついでいる小さな魂」と僕を呼び「何もないところにしか見つけられないものがある」と口癖の様に云い「ゆっくると生きなさい」と諭してくれる。僕らの人生は、この世界の誰かと繋がってる一冊の本、それをちゃんと読まないでどうするの?って詩人は問いかけます「もっと もっと本を読もう」って。お座成りにされた今日は、永遠に明日に繋がらないのです。
2016/05/19
ひ ほ@新潮部
ちょっと哲学的で難しかった。でも 「生きるということ」を静かにまっすぐ見つめて書かれているのは感じました。本をいっぱい読もうっと。
2016/05/16
ち~
読友さんお勧めの本。詩集は読んだ事がないと言ってもいいくらい自分に馴染みがないものなので、どのように感じるか?少し不安に思いつつ読み始めました。短い一行のなかにも、ハッとさせられる言葉がたくさん見つかりました。世界は本であり、また本は世界であり。この世界は読みたい本がたくさん!「嘘でしょう、イソップさん」が印象的。
2016/05/11
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