人生の特別な一瞬

新地学@児童書病発動中

長田さんの詩を読むと、自分が生まれ変わるのを感じる。元日に読むのにふさわしい本だった。新しい一年が始まったので、去年までの自分の中の言葉を新しくして、新鮮な気持ちで毎日を過ごしたいという想いを後押ししてくれる珠玉の言葉に溢れている。これを読むと「人生の特別な一瞬」はどこにでもあることが分かる。雑木林、五月の海、旅先での雨。このようにありふれたものと出会いを特別な一瞬に変えるためには、常に開かれて瑞々しい心を持っている必要がある。そんな心を持つの簡単ではない。しかし、この詩集はそれを可能にしてくれるのだ。

2017/01/01

いつでも母さん

『断片のむこうにある明るさというか、ひろがりだった。』誰かの歌に『ここではないどこか』というのがあった気がするが、長田さんのこの32編は『旅』(遠くても近くても、又、誰かの『旅』でも）からの『その一瞬』だった。好みはそれぞれの心の中の川・無言の風景・もう一度ゆきたい場所・・歳歳年年もいい。わたしは心の中で『ここではないどこか』をいつも欲している。けれど何処へも行かれないのを知っている。だから、読書では自由に想像の翼を広げている・・

2017/04/16

新地学@児童書病発動中

長田さんの詩を読むと、自分が生まれ変わるのを感じる。元日に読むのにふさわしい本だった。新しい一年が始まったので、去年までの自分の中の言葉を新しくして、新鮮な気持ちで毎日を過ごしたいという想いを後押ししてくれる珠玉の言葉に溢れている。これを読むと「人生の特別な一瞬」はどこにでもあることが分かる。雑木林、五月の海、旅先での雨。このようにありふれたものと出会いを特別な一瞬に変えるためには、常に開かれて瑞々しい心を持っている必要がある。そんな心を持つの簡単ではない。しかし、この詩集はそれを可能にしてくれるのだ。

2012/10/12

S.Mori

作者の詩に生きる上で最も大切なことの一つを教わりました。それは本当に美しいものは、今ここにあるということです。苦しかったり悲しかったりしてとてもそんな気持ちにならないこともあります。でも心を落ち着けて、まわりを見たら自分を支えてくれる美しいものは、必ず見つかります。「夕陽を見にゆく」がまさにそんな詩です。夕陽というありふれたものの中にある美しさを描き出しています。「窓の月」も窓から見える月の美しさを、秋を通して教えてくれます。自分のまわりにあるありふれたものの輝きを、気づかせてくれる宝物ような詩集です。

2020/09/19

Shoko

図書館本。川、空、海、湖、小さな寺、美術館で観た絵、異国のレストラン、焼酎、遠くへゆく列車の指定席、旅の風景。普段は忘れている人生を彩る断片の数々が誰の心にもきっと蘇る。あの時だったのだな、と振り返り思い出す特別な一瞬。記憶にしかとどめることのできない特別な一瞬が。

2021/12/08