ペストと劇場
ペストと劇場 / 感想・レビュー
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津野海太郎の本を読むのは、恥ずかしながら初めて。何という博覧強記でしょう。何という洞察でしょう。すばらしい知性だと感嘆しました。アルトーの「演劇とペスト」にインスパイアされ、ペストの消滅と近代劇場の誕生を、都市の近代化・衛生化というひとつの過程の産物としてとらえた劇場論です。ペストの把握の仕方が、単純なロマン主義にならないように工夫されています。じつに示唆的な内容があふれる本です。
2019/01/22
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