バベルの混乱: マスメディアは過激になれるか
バベルの混乱: マスメディアは過激になれるか / 感想・レビュー
とーとろじい
著者の活動である自由ラジオの項は時代を感じて面白く読めなかったが、それ以外の論考は読み応えがあった。ユダヤ教の身体性とキリスト教の非身体性の対比は特によい。価値中立的になっていく情報化の進展をユダヤ→キリストのみならず、ヒッピー→ヤッピーやペスト→活版印刷など様々な現象に見出していく語り口が面白い。疫病が情報に変わり、マスメディアによって身体管理が命じられる統合的なシステムは資本主義の特性なのだという左翼的指摘も、コロナ禍の今読むと身に沁みる話であった。
2021/10/21
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