金子光晴 (21世紀の日本人へ)
金子光晴 (21世紀の日本人へ) / 感想・レビュー
勝浩1958
金子氏の「人間の理想ほど、無慈悲で、僭上なものはない。これほどやすやすと、犠牲をもとめるものはないし、平気で人間を見ごろしにできるものもない。」「理想とは夢見るもので、教育や政治に手わたされた理想は、無私をおもてにかかげた人間のエゴでしかない。」には、考えさせられます。人間を国家に置き換えると、なるほどと思えてきます。理想は自分の胸の内に収めるもので、他人に押し付けるものではないのでしょう。さて、いまの為政者の言動はどうなのでしょうか。
2015/04/14
TB
C図書館本。金子光晴の随筆が5編。「明治人」「くずれゆくもの より」「子供への召集令状」「絶望の風土・日本」「日本人について より」。『21世紀の日本人へ』という、晶文社のこのシリーズ、日本の「これまで」をふりかえり、日本人の「これから」に思いをこらす、という切り口の全7冊。他は、夏目漱石、石川啄木、笠信太郎、永井荷風、坂口安吾、柳田国男。Wikiによると「現実批判、抵抗、反骨の詩人」とのこと。まあそんな感じの随筆だった。それより海外放浪経験やエロスからの切り口での話が読みたかった。日本人論はつまらない。
2022/11/27
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