植草甚一の映画誌 (シリーズ植草甚一倶楽部)
植草甚一の映画誌 (シリーズ植草甚一倶楽部) / 感想・レビュー
踊る猫
植草甚一の逸話で敵わないなと思うのは、彼が映画を観るに際し丹念にメモを取っていたということだ。記憶に頼らず筆写する。その恐ろしい努力/尽力あってこそ、ここまでシネマディクトJ・Jとして語れるということはつまり、淀川長治みたいな天性の才能を植草が持っていなかったことを意味するのではないか。要するにこちらを唸らせる勉強家/努力家。ホールデン・コールフィールドもかくやと思われる饒舌にして冗長ではない文体で、映画の魅力を切り取る彼の筆致にはもちろん「愛」もあるが、それ以上に悲痛さ/必死ささえ滲ませる「情熱」がある
2019/11/17
Gen Kato
独特の文体に酔いながら、読む「映画」の数々。キートン、マルクス兄弟、ヒッチコック、トリュフォー…
2016/06/28
感想・レビューをもっと見る