ラスキン
ラスキン / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
1963年初出。ラスキンの優柔不断と当惑は戦争観に表れているという。恐怖で戦争の野蛮さから尻込みし、兵士は、制服を着せた人の傀儡だとわかっていた。空想上の戦争ゲームをした子ども時代(97頁)。失業者に道路掃除の仕事を与え、家の使用人に紅茶箱を施し、アルプス山脈の牧草地を買おうとし、ティティアンの絵を買い、オクスフォードに絵画学校を設立し、コレクションを無料で提供、女学校に補助金(118頁)。ラスキン独自の文化政策だったろう。彼は『近代画家論』を終えると、長い散文を書こうとしなかった。人生は蒸気に過ぎぬ。
2020/09/05
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