貧困旅行記
貧困旅行記 / 感想・レビュー
リッツ
情景もつげ義春さんの漫画も目に浮かぶ。ほぼ一気読み。若いと言うか子供の頃から漫画は愛読していたが、あ~この雰囲気存在感、危ない危ない、又ずず~っと引きこまれそう。前半には奥さんと息子さんも登場し、これまたかって読んだ漫画と頭の中で照らし合わせた。平助くん可愛いんだよねぇ。うらぶれた宿に親子で泊まり「世の中に私たち三人しかいないみたい」と呟く奥さんに「いいじゃないか三人だけで」と返す大好きな漫画でのシーンを思い出した。日々の暮らしから切り離された旅先で、そこにある日常に感じる郷愁、空想、じんわり読んだ。
2019/09/10
三柴ゆよし
山間のしょぼい旅館を彷徨する旅行記。日記形式になっていて、本人や家族のものも含めて写真が多いのもいい。これまで紀行文というジャンルにはあまり興味を持ってこなかったが、本書は現在の私のメンタルにストライクした。おどろくほどの事件や出会いも起きなければ、人生を変える思索が行われるわけでもない。峡谷の自然にささくれた日常を慰撫され、旅館の好し悪しに一喜一憂するだけの旅である。それでも本書には、つげ義春というひとの根幹をなす無頼とやさしさが満ちているように思った。考えてみれば、著者はいつだって漂白のひとであった。
2016/04/24
アズル
文庫版を読了したので、こちらはコレクションとして…。文庫よりも写真や挿し絵が大きめなので良かったです。
2014/05/19
gbkutakuta
すべての道が車のために舗装されるのは、歩く者にとっては退屈で疲れも倍増する。らくな思いをする車のほうこそ悪路を我慢してくれないかと、旅に出るといつもそう思う。
2017/05/16
Ryuji
★★★★☆つげ義春さんの昭和40年代~からの旅行記。タイトルからどんだけの貧乏旅行なのかと思っていたが、私が学生の頃よくやった基本歩いて、宿は安宿に泊まるというのと大差が無かった。たまたまですが、私が今住んでいる八王子近郊の奥多摩・桧原・上野原(秋山)・大月などが出てきて、昭和の時代のこの辺りの事が良く分かって面白かった。ここ何十年も歩く旅というのはやっていないが、旅はやっぱり歩くものだと思う。車では見落としても、歩くからこそ発見出来ることが沢山あります。
2016/02/27
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