対話の時間
対話の時間 / 感想・レビュー
もりくに
詩人・長田弘さんは、自分の「詩」を頂点とする三角錐で説明する。三つの基底点は、「対話」、「読書」、「旅」。この本は、一つの主題をめぐる「対話」ではなく、各界の12人との「自由な歓談」の時間の記録。「真面目に考えよ、誠実に語れ、撃実に行え」と二十世紀初頭に漱石は語ったが、手に入れたのは、その三つの「動詞」ではなく、観念から商品までの分断化された「名詞」ばかりだったと。鮎川信夫さんとの対談では、「アメリカ」について話している。日本そのものを「地方」と見る目、日本語を世界言語の「方言」と見る目が欠落していると。
2018/08/10
千葉さとし
311後の息の詰まる状態で思い出した「深呼吸の必要」というフレーズからたどり着いた詩人長田弘氏について知りたく思って読んでみた。対談とインタヴューの本なので、彼の考えや感じ方もわかった上に、これまで知らなかった人達についても知ることができて一石二鳥とはまさにこのこと。機会を見て詩のほうも読んでみよう。
2011/05/11
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