永遠の夢
永遠の夢 / 感想・レビュー
紅はこべ
好みなのは、前半のファンタジーの方。ブラッドベリの前書きのせいで、ネフはキャサリン・ヘップバーンのイメージで。『フィラデルフィア物語』の頃の。どちらの作品もテーマは時間かな。サマートンの希望記念図書館の銘は『神曲』「地獄編」の地獄の門の銘のパロディ。つまりこの地は…
2019/08/30
KAZOO
どちらかというとファンタジー系のものの中編が2作収められています。一つはSFといってもいいのでしょうがジュブナイルのような気もします。ゆったりとした気持ちで読むと本当に私のフィーリングに合う感じがします。それだけわたしも年寄りになってきた証拠なのでしょうか?
2015/01/31
新田新一
『火星年代記』で有名なブラッドベリの晩年の2つの中編が収録されています。どちらの作品も瑞々しい筆致で書かれ、物語として面白かったです。「どこかで楽隊が奏でている」は不死を主題にした作品。永遠に生きながら物語を書き続ける人々の姿が魅力的。寂しさと切なさの中に恐怖がブレンドされた作者らしい作品。「2099年の白鯨」はメルヴィルの『白鯨』を宇宙的なスケールで描いた作品。いわゆるスペースオペラなのですが、ブラッドベリ特有の美しい文章で書かれ、哲学的なテーマが織り込まれているので、読み応えがありました。
2023/09/10
雪狼
図書館本。やっとこさ読み終えました。4回延長、次に予約が入ってなくて良かった(笑)ファンタジーとSFの2つの中編が収められた本です。「どこかで楽隊が奏でてる」はファンタジーで意外にすんなり読めたのですが、「2099の巨鯨」はちょっと手こずりました。なんと申しましょうか?どちらも嫌いではないのですが、なんか黄昏ていると言ったらいいのかな?だから永遠の夢なのかな?解ったような解ったふりをしている自分がいます。雰囲気で理解している気になっているのです。私の悪い癖です。ごめんなさいうまく言葉に出来ません。
2014/06/29
amanon
併録作も悪くはないが、やはり表題作に軍配があがるか。永遠と儚さ、変わるものと移ろいゆくものとがせめぎ合う中での葛藤…まさにブラッドベリの真骨頂と言える。永遠と思われた物があっさりと瓦解し消え去った時の寂寥感。それは年を経るにつれてその意味が重くなっていく。若い自分に本書を読んだ人は、中高年になって読み返すことをお勧めする。全てが消え去ったと思った瞬間に兆す希望が描かれるラストにはつい目頭が熱くなった。併録作は正直読むのが辛かったか。『白鯨』を読んでいたから、何とか読めた感がなくもない。クエルが印象的。
2020/02/27
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