KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

街場の憂国論 (犀の教室)

街場の憂国論 (犀の教室)

街場の憂国論 (犀の教室)

作家
内田樹
出版社
晶文社
発売日
2013-10-05
ISBN
9784794968111
amazonで購入する Kindle版を購入する

街場の憂国論 (犀の教室) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ito

著者が感じている憂国について、グローバル経済、政治、教育、格差社会等、様々な視点から熱い言葉で論じている。日本が直面している国難について、重要なキーワードを網羅し訴えかける。あとがきにあるように自分の功績を誇示しない「アンサング・ヒーロー」のような生き方は今の日本社会には合わないのだろう。皆が自慢しあうのがデフォルトにも思える。それでもリスク社会に生きる我々にとっては重要な視点である。日ごろ、私が感じている疑問や不満について、ソリューションを提供してもらえたような読後満足感があった。

2014/04/23

万葉語り

近代資本主義には限界があって、未来世代の可能性を潰しかねない。誰にも知られないけれど、他人のために行動するアンサングヒーローには単体で現状を変える力はないけれど、誰もが倫理観を持てばこの国も少しは住みやすくなるのではないかというおとぎ話。内田先生の話がおとぎ話に聞こえるこの国の未来は本当にどうなるのだろうと思った。2022‐111

2022/11/05

ねこさん

特に富裕層や、その恩恵を近しいところから受ける人の言説に「生きていることに感謝する」的な言葉を聞く機会がある。説明しがたい気持ち悪さ、欺瞞の臭いを感じていたがその構造理解ができたように思う。日常に満足できないのは、その心のあり方も含めて自己が招いたもの、つまりよく言われる「自己責任」と言う考え方と、「足ることを知るものは富む」という老子の考え方は似て非なるもの、小義を掲げ無欲を装うタルチェフ的言説でしかない。詐術が横行する社会で、暗澹たる気分に飲み込まれないように生きる手がかりが提示されている本だと思う。

2018/04/30

marco

TPPやグローバル化について訳知り顔で中2の息子に話したら、興味深げに耳を傾けてくれた。すべて内田センセの受け売りである。さすがは内田センセ(笑)。多くの人が目先のことしか考えられなくなっている昨今、思考における射程の長さ、大事ですよね。

2013/10/18

Kaz

頭が良いとは著者みたいな人のことを言うのだろう。周囲で起きていることや、これから起こるであろうとを、誰もが理解できるように伝える。この本にある主張には賛否両論あるが、印象に残ったのは、巻末に近い以下の下り。確かにそうだ。「自分のために戦う人間は弱く、守るもののために戦う人間は強い。"オレがここで死んでも困るのはオレだけだ"と思う人間と、"(彼ら)のためにも、オレはこんなところで死ぬわけにはゆかない"と思う人間では、ギリギリの局面での踏んばり方がまるで違う。それは社会的能力の開発においても変わらない。」

2015/02/20

感想・レビューをもっと見る