街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか (犀の教室)
街場の憂国会議 日本はこれからどうなるのか (犀の教室) / 感想・レビュー
Y
あまり熱心に時事問題を追っかけていない私としては、安倍首相はかなり右寄りな政治家というざっくりとした印象しかなく、その反面ニュースで報じられる政策に思想の一貫性が感じられないというか、支離滅裂に映っていたが、この論考集を通して安部首相の目指す方向性がよくわかった。どうやら経済成長に役に立つか否かを基準に、全ての制度をその目的に則して改組した株式会社のような国を作り上げたいのだという。小田嶋さんの論考はこれまで読んだネトウヨ論の中で一番しっくりきた。どの論者も他の文章を読んでみたいと思うほど面白かった。
2014/06/08
壱萬参仟縁
内田氏:安倍晋三の主敵は国内の民主制の残滓(016頁)。(株)は一つの特異な法的擬制(032頁)。小田嶋氏:安倍総理の薬の副作用として、気分を高揚させるということからマシンガントーク化したのかも(064頁)。想田氏:首相が何でもできるようにしたいのが自民党改憲草案(101頁)。権力濫用が国民主権で制御できない危機に瀕す。国民主権→企業主権ゆえにTPP賛成か?(116頁)中島氏:ご自身の原稿がNTT出版という公平性を担保される本に偏った政党批判ができないと言われたという(152頁~)。
2015/03/12
けんとまん1007
なるほど。国の株式会社化を目指しているのかと、ハッとして納得。そう考えると、ここ最近のことが、とてもわかりやすく関係性まで見えてしまう。今さえよければ、当面の目の前のことさえよければというのが基本姿勢。次の代のことを考えていないということ。それは、世襲政治屋が増えているということと、それを、どう勘違いしているのか歓迎する風潮があるということにも表れている。国をあげて、短期的視点に邁進しようとしているのだ。これは、とめないといけないこと。企業は存続してもどうでもいい。国(形式は別として)は存続すべきもの。
2015/02/08
aoneko
全体として面白く聴いた中、とくに印象的だったのは高橋源一郎氏の「正しく理性的な判断に共通した構造」についての話。小説でもきほん褒め殺しの高橋源一郎…と言っていたのは、たしか豊崎社長だけど、そのまま政治を紐解く姿勢にもでているのだと。
2015/02/04
阿部義彦
2014年発行。安倍政権の特定秘密保護法の成立を受けて、この国に危機感を募らせた内田樹さんが、8名の方に呼びかけて現状分析を語って頂いた本です。晶文社から。戦後最も危険な政権とまで評した方も居ましたし、その性格の子供じみた「気分」を重大視した方もいれば、オレ様化する権力者と揶揄した方もいます。私の生きてきた実感と言えば、生まれてからこのかたで最悪の総理だと思いました。その後の展開を見ても、骨抜きにされた感じが否めません。女性と若者に譲ってジェンダー後進国から脱出するのが、老害国日本の道だと思うのだが、、
2022/11/05
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