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電気は誰のものか

電気は誰のものか

電気は誰のものか

作家
田中聡
出版社
晶文社
発売日
2015-08-24
ISBN
9784794968906
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電気は誰のものか / 感想・レビュー

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Yuzu

表紙カバーの電球とドスが印象的なので購入した本。現代の我々からするとあって当たり前の電気。しかし戦時体制に組み込まれて国営化されるまでの電気とガスの争い、直流と交流の争い、町営化をめぐる争い、電気料金を値下げをする争いと電気の所有権をめぐり戦ってきた歴史があった。電灯黎明期の面白逸話。国会議事堂炎上を利用してのガス会社とのネガティブキャンペーン合戦。政治がらみだけでなく暴力団や糞尿すら登場する電力会社同士の争い。暴力と陰謀渦巻く電力会社vs村との電力料金値下げ闘争。電力自由化でこんなこと起きないだろうけど

2017/05/02

trazom

電気事業の歴史が、非常によくまとめられている。黎明期に電力会社同志が顧客を奪い合った時代から五大電力を経て、戦時体制の日本発送電一社と配電9社、そして、戦後の9(10)電力体制という事業主体変遷の歴史がよくわかる。また、電化に伴う生活の変化や、火災との関係、周波数の決定などの経緯も、具体的に記述されている。電力を議論する場合には、社会生活に密接に影響する需要側と、利権や政治に翻弄される供給側(事業者側)の両面があるが、その両者をバランスよく記述した貴重な一冊になっている。

2017/05/15

のぶ

いやあ面白い本でした。(新世代の「灯り」としての)「電気」という技術(とそのための社会インフラ)が普及していく過程での、様々な事件について、調べて纏めた本、要約すればそれだけの本なのですが、タイミングもいいし(今年が地域独占脱却の元年?)話の掘り下げ方も適切なのでしょう。安定供給される電気の存在を当然として育った我々世代(より若い世代も)にとって逆に新鮮な話が満載でしたし(電気とアニミズムの関係は考えたこともなかったなあ)。原発問題(本書では扱ってない)とも関連づけて、色々考えることが出来てしまいました。

2016/01/27

O. M.

日本の電気事業創成期に起こった様々な事例研究。民営・公営・国営のあり方について考える。今も昔も、電気事業と規制機関・政治との関係は深い。日本の電力史研究というと、たいて電力会社や政策側視点のものがほとんどと思いますが、本書は電気を受ける側の民衆の視点に焦点をあてたもので、その切り口は斬新で、大変興味深く読めました。本書を読みながら、日本以外の諸外国の電気事業創成期の動向を調べてみたら、その国ごとの文化を反映して面白そうだな、と思いました。どなたか研究してみませんか。

2016/03/06

らくだ

電気会社同士の仁義なきシェアの奪い合い、電力料金の値下げを求める電力争議。自治体と電力会社の対立。等々電気事業黎明期の混乱を丁寧に分かり易く書いてある。電気の公共性を改めて考えるとともに、今の携帯電話のシェア争いと比べてみるのも面白い。

2015/12/03

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