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七つの顔の漱石

七つの顔の漱石

七つの顔の漱石

作家
出久根達郎
出版社
晶文社
発売日
2013-05-13
ISBN
9784794969026
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七つの顔の漱石 / 感想・レビュー

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たくのみ

古書店主にして書評家の出久根さんの漱石がらみのエッセイ集。文豪、教師、スポーツ好き、詩人、俳人。いろいろな側面を持つ漱石を語る本だが、初出がバラバラで少し読みにくい。漱石とコンビを組んだ装丁師・橋口五葉のはなし。猫の死亡通知に見るペットへの愛情。身の上相談を受けて女性を立ち直らせたエピソード。夫によそい、漱石そっくりの筆跡となった鏡子夫人との愛。面倒見がよく弟子に愛されたが、家族との軋轢につながった誤解。七つどころか、沢山の顔の漱石に出会えました。

2015/11/09

tom

漱石の妻鏡子は、夫虐待の悪女というのが、かつての通説だった。漱石を罵倒し、彼の胃潰瘍やら痔やら精神的不安定を生み出した諸悪の根源。そういう風に私が昔読んだ本には、書いていた。漱石の人生論的論考小説は、面戸言う臭い妻との関係から産み出されたのだと思っていた。ところがこの本によれば、鏡子さんは、けっこういい妻だったらしい。論拠の第一は、鏡子さんの書く文字が、漱石とそっくりであること。夫婦仲良くしていたら、文字まで似てくるらしい。妙に説得力がある。でも、私と妻の字体はずいぶん違う。私と妻は、仲が悪いのか(笑)。

2016/01/20

遠い日

元古書店主にして、漱石を愛してやまない出久根氏の漱石の蘊蓄、あれこれ。ちょっとした講義を聴いているようで、読み応えのある内容だ。漱石という作家はわたしの中ではだいじな作家の一人だ。ちっとも古びないテーマに、人間としていかに生きるかが光る。細かな例を引いて、漱石の知られざる側面を語り、滋味溢れる人間性を語る。第二部では、出久根氏の愛する作家たちについて。その知識量と蘊蓄の確かさは、ここでも裏付けと想像が絶妙な塩梅。幸田文の章が個人的には興味深く、読み返したいと強く思わされた。

2014/02/05

さ ぼ

漱石について、語りつくされるということはないのだなあ。汲めども尽きぬ泉のような。

2013/08/07

藤尾

題名と表紙の絵はなかなかですが、中身の文章がイマイチ。眠たくなる。漱石ネタは大体把握しているので、知らなそうなとこをザッと拾い読み。

2017/04/11

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