文字を作る仕事
文字を作る仕事 / 感想・レビュー
kinkin
日常、本を読んでいて書体を意識しながら読むことはなかった。この本は書体を作る側を取り上げた本だ。書体を作ると言っても日本語の場合、かな、漢字、カタカナや記号をいれると二万字くらいを手掛けるそうだ。とても根気がいる仕事だと知った。また出版社や新聞社で書体も変わってくることも。著者は本文をいかに読みやすくなめらかな読み心地を得るために「水のような空気のような」本文書体を作ることを心がけている。これからは書体をすこし意識した読書も心がけたいと思った。
2016/09/17
あじ
新潮、角川、岩波、文春…それら文庫の書体は、独自の明朝体を持っており【水のような、空気のような】人格で、紙の上に整然と立っている。ハネ、止め、一画の太さ、バランスを微細調整し、媒体に合わせて読みやすさを追求する。それが“文字を作る”仕事。『心、天、為』の作業過程を読んで、より具体的な認識を掴んだ。内容としては自伝的要素が含まれていて、文字作りをする上で影響を受けてきた話が多い。京極夏彦さんや祖父江慎さんとの、文字セッションが面白かった。
2017/02/15
千穂
明朝体、ゴシック体に製作者によりさらにたくさんの種類があるとは知らなかった。本を読む上でどんな活字が使われているのか意識することもあまりなかったが、それは水のような空気のような存在だったからなんだと感心した。
2016/12/22
邪馬台国
水のような、空気のような文字をつくる。実直な文章にその理念が反映されているのを感じながら読み進めました。祖父江さんのエピソードだけは、感情を抑えきれていなく文章にあらぬ熱がこもっているところが、お二方の好対照ぶりを表しているようで印象的でした。
2017/04/25
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
これを読んで、自分のブログのフォントを速攻変更しました。頭の中の思考を人に提示するために使うのが言葉であるなら、その伝達方法は口から発せられる音か、目にするテキスト。そしてそのテキストを担っているのがフォントであるという当たり前のことに気づかされました。デジタルの世界のものと思いきや、産み出されるプロセスはアナログなもの。お習字、やってなかったことを大後悔です。しかし印刷というのは、本当に大発明であったのだなー。
2016/08/29
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