吉本隆明全集〈12〉 1971-1974
吉本隆明全集〈12〉 1971-1974 / 感想・レビュー
実朝論は吉本隆明の中でもなかなか良い。この前後に『共同幻想論』を書いているが、「共同幻想」に蓋をする+1としての象徴としての実朝の悲劇を書いている。面白いのは、それを歴史的な事実としてではなく、和歌という表現論にくり込みながら書いていることだろう(『万葉集』から『新古今』への表現論の変遷も勉強になった)よく吉本は打率3割あればそれでいい、と書いているが、この時期の吉本は打率3割はあるなと思う。
2023/10/05
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