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現代怪談考

現代怪談考

現代怪談考

作家
吉田悠軌
出版社
晶文社
発売日
2022-01-27
ISBN
9784794972880
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現代怪談考 / 感想・レビュー

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HANA

怪談に関する考証はたまに出版されるが、どれもが非常に読んで魅力的なものばかり。本書もそれに連なる一冊で読んでいる間中満足感を覚えました。「子殺し」をテーマにそれに連なる「母」「赤い女」を追っていくという内容なのだが、それがそのままカシマさん、口裂け女から八尺様という女性を巡る怪談史になっているのが興味深い。それがそのまま都市伝説からネットロア、実話怪談に移り変わるまでの軌跡をも描いていて怪談好きには堪らない構成。個人的には怪談の考証でありながら、あの時代を思い出すノスタルジアに満ちた一冊でもあった。

2022/02/09

へくとぱすかる

怪談研究の中に著者の思いを開陳しようと試みたエッセイ。「口裂け女」の「出現」が、定説より早かったというのは新発見。70年代のオカルトブームについて、実は超常現象を科学的に説明できるかもしれないという、期待の盛り上がりとしてとらえている点に首肯できるものがある。本書に取り上げられた事象について、現実にはなかったとのスタンスを保ちながらも、恐怖心を生み出し、尾ひれをつけて成長させていったクチコミ・ウワサなどの力について、著者は恐ろしいものと考えているようである。「と学会本」とはちがったアプローチが興味深い。

2022/08/17

ヒデキ

実話怪談の歴史を「子殺し」をメインテーマに解説した一冊です。ネット時代のためか、参考文献が、書籍だけでなくネット記事も入っていたのが、印象的でした。

2022/02/23

ばんだねいっぺい

怪異は、ドーナツの輪の空白に投影される悪魔の証明的なものなんだろうか。そうすると、言霊というのは、そういう意味なんだろう。あえて、怒らせるための供物の発想はなかった。いろいろと考えていたことに示唆を与えてくれた素晴らしい一冊。

2022/08/22

kei-zu

ネットや噂話で広まる現代の「怪談」を紐解く。 「子殺し」が怪談の深層にあるという著者の指摘は興味深い。41人もの「貰い子殺し」を背景とする目黒川そばの西郷山の怪談において、実際の殺害者である男性が女性に転化されたという。 「口裂け女」は有名だが、化け物だから怖いのか人間だから怖いのか。 怪談話を追いかけたところ、著者の過去の住居に縁がつながり、「追いかけてきた」とゾッとするくだりなど、非合理的ながら(であるからこそ)怪談の趣きがある。

2022/04/24

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