宗教対立がわかると「世界史」がかわる
宗教対立がわかると「世界史」がかわる / 感想・レビュー
ta_chanko
宗教対立と言っても、教義上の論争、世俗権力との対立、土地をめぐる戦争など形態は様々。啓典の民を排除しないイスラーム。異教徒・異端を排除するキリスト教(十字軍・レコンキスタ・魔女狩り)。日本では崇仏論争→仏教受容→神仏習合→廃仏毀釈→国家神道→政教分離と信教の自由。中国では「三武一宗の法難」が起こりながらも儒道仏教が混交。近年はヒンドゥーナショナリズム・イスラーム原理主義・キリスト教福音派・ロシア正教の動向が目立っている。全体として宗教は衰退に向かっているとは言え、国家や人々の行動に与える影響は大きい。
2022/11/26
Apple
宗教どうしの対立は、必ずしも教義の違いによるものではないというのは、言われてみれば確かに、と思いました。土地を増やし、信者を増やし、勢力を広げるという営みが行われた結果が宗教対立を説明することも多い、ということが分かりました。あとは、キリスト教とイスラム教の違いがわかったような気がします。イスラム教の世俗という概念がそもそも存在しない、教団というものがない、イスラム法に基づき生活している、などの基本的な事項を知りました。私自身が世界史に疎いため、説明が駆け足に感じて分かりにくいところがありました。
2024/04/12
紅咲文庫
2022年4月に書かれた著者“はじめに“では、ロシアのウクライナ侵攻理由として挙げられた、ウクライナ正教会がロシア正教会から独立したこととそこへ至る経緯が説明される。段階を踏んで説明がされるのでとても読みやすい。宗教対立とされていた争いが本当にそうだったのか、中世のイスラム教とキリスト教がどのように共存していたのか、インドで起きているヒンドゥー教とイスラム教の問題はどういうことなのか。テロと結びつけて語られるイスラム原理主義とは、なんなのか。イスラム教は他の宗教を否定するものではなく、キリスト教のように→
2023/02/12
村上春巻
【B+】う~ん、ダメなほうの島田さんの本という感じ。
2022/08/21
noko
ウクライナ侵攻があり、まずこの本でもロシア正教の話が語られていた。世界の宗教対立の数々を説明している。日本でも仏教伝来で揉めた。テンプル騎士団が、ヨーロッパにおける銀行にかわる仕事をした話が面白かった。何回も行われた十字軍についても、わかりやすくまとめられていた。中国での廃仏の解説、インドでのヒンズー教とイスラム教の対立の話もあり、本当に世界各国の宗教対立を取り上げている。イスラム原理主義のテロリズム解説も、私の思っていた事と、先生の考察が違い、エリートな人がテロリストになるというのは目から鱗だった。
2023/05/30
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