ドリー先生の歳月
ドリー先生の歳月 / 感想・レビュー
シュシュ
1888年生まれの女性の生涯。面白かった。第二次大戦時、広島の原爆投下のニュースも伝わり、前の戦争に懲りずに戦争を繰り返していることに、ドリーがどれほどがっかりしたかが伝わってきた。「自分が後世に伝えることがあるとしたら、それは自分をこれまでずっと支えてくれた人生観だろう。どのような問題に対しても、落ち着いて勇敢に立ち向かうこと、自分の家族と友人を心から愛し続けること、さらに自分が住む地域の美しい自然を大切にすること」また、教師の仕事を続けたドリーが人間の研究は限りなく面白いと思うところに共感した。
2017/04/08
カタコッタ
『エミリー先生』の姉妹編。エミリーと同居するに至るまでのドリー・クレアによる回想。2回に及ぶ戦争、女王の死(ヴィクトリア女王の方)、ドキリとさせられたヒロシマの原爆投下。心が痛むがやはりこの様な過去があって今があるという事だ。70歳になると、この先何が起ころうと耐えていける、とドリーは言っています。そうか、そうか。心の芯を掴まれる作品でした。
2022/09/18
よし
生まれ育ったふるさとから一歩も出ないで、一教師として半世紀を過ごしたドリー。両親を共に看取り、幼なじみと晩年を共に過ごしていく。 「どんな問題にも落ち着いて勇敢に立ち向かうこと、家族と友人を愛し続けること、自分の住む地域の自然を大切にすること」を子ども達に教えていくドリー。こんな慈愛にみちて誠実な先生から教えてもらいたかった。読んでいて、心が温まるようだった。
2018/07/08
がぁ
イギリスのこういう時代の物語は読んでいて飽きない。個人的には懐かしい地名、ノリッジが出てきて嬉しかった。ドリーやエミリーのような人生は厳しいけれど、羨ましくもある。リードさんの作品を探してみよう。ひとつだけ、名前の誤記は興ざめなので、出版社は注意していただきたい。
2012/03/19
chocoうさぎ
南英の田舎町の教師ドリー・クレアの一代記。先に読んだ『エミリー先生』の姉妹編。ドリーが1888年生まれで、ヴィクトリア時代だったことにまず驚いた。2つの世界大戦、その前にも幾つもの戦争とイギリスは好戦的な国で、大英帝国主義という時代背景があるわけか。世界情勢やニュースが田舎で暮らしている自分の人生をも大きく変えてしまう事態。控え目ながら芯が強く、優しいドリーの人柄が素晴らしい。著者の筆は、人生の豊かさを紐解く奥深さがある。戦争や教育についての言及が熱い。10代で読んでいたら教師に成ったかも。良書。
2021/08/27
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