高村薫の世界
高村薫の世界 / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
「新冷血」の発売を楽しみに待っている所、図書館でこの本を見つけて借りました。この「晴子情歌」から「太陽を曳く馬」で榮の政界と主人公の出家、父の青と子の赤の対比を為して福田家サーガは円環状の幕を閉じることになるのは必然だったのか。「リヴィエラを撃て」や「神の火」、「黄金を抱いて飛べ」は単行本のみ既読なので改稿版の文庫と読み比べてみたくなりました。単行本にもなっていない七係シリーズや「ヨセフ断章」も紹介されているため、当時(まだ、私は赤ん坊だった)、掲載雑誌を読めた人が羨ましくて仕方ありません。
2012/06/18
shiman
中断していた「晴子情歌」にも終盤には読書の喜びがまっているようだ。早めに再トライすべし。
2013/04/26
Michael S.
高村薫の作品は文庫化すると読むことにしてます。『黄金を抱いて翔べ』は未読ですが。高村薫の作品は重厚で細部の表現が精緻で際立っているところが好きで、特に大阪の蒸し暑い熱帯夜や下町の工場の描写などが地元に住んでいるだけにとてもリアルに感じます。この本は『春子情歌』までの作品の批評で、他の作家の著作が高村小説に与えた影響などを推理していて興味深い。そっちの著作の方も読みたくなります。高村作品は大部なものが多くてなかなか再読を楽しめないのでこの本で作品を批評家の目を通して追体験するのも良いかと思います。
2018/08/31
pegochan
私にとって高村薫というのは特別な作家である。マークスの山で一気にファンになって、決して多作ではない高村薫の新作を心待ちにするようになった。レディジョーカーまでは良かった。がその後、晴子情歌で作品は難解化してしまった。もう読まなきゃいいのにと思うのに読まずにはいられない。何がそんなに魅かれるのかがわからない。たまたま図書館の片隅でこの本を見つけて読んでみた。少し古い本で晴子情歌までの高村薫論だが、これまた少々難解で、わかったことは私はこれからも高村薫を読み続けるだろうということだけだった。
2015/09/26
ぱーぷる・ばんぶー
単行本化されていない合田関連の短編が読みたい!もし単行本になっても改稿しまくりの別物になってるんだろうなあ。古本屋で古い雑誌探そうかなあ。
2014/06/22
感想・レビューをもっと見る