KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

君の名残を (下) (宝島社文庫 488)

君の名残を (下) (宝島社文庫 488)

君の名残を (下) (宝島社文庫 488)

作家
浅倉卓弥
出版社
宝島社
発売日
2006-01-01
ISBN
9784796650779
amazonで購入する

君の名残を (下) (宝島社文庫 488) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

三代目 びあだいまおう

人の夢と書いて『儚い』、戦の世ではかくも儚く散ってゆく、希望も命さえも。定められた時の流れを正しく導くためだけに800年前の戦乱の時代に送り込まれた3人の高校生。過酷な運命に潔く己を委ね、大切な人の未来に降りかかる末期を知りながらも、守るため戦い抗う主人公たち。時の定めの無常さに、人の想いがいかに無力か。それでも伝わってくるのはその想いの尊さ!帝の時代から武家の時代へ歴史の大転換点を史実に基づきドラマティックに描き切った渾身の大作。君の名残を感じながら、美しき純愛と輪廻の存在を信じずにはいられない‼️🙇

2024/06/03

とん大西

…この満足感と高揚感。壮大な「生きる」物語が極上の余韻を残す。普通の高校生が源平争乱の時代にタイムスリップ。青春SFファンタジー?否、意外に骨太、星霜を超えて問われる「生きる理由」と「生きた意味」。唯一無二の愛に生きた女。愛する男を失った哀しみ。しかし、馬上で目覚めた時から数奇な輪の中で今を生きた友恵。愛し愛され日々を重ねた友恵。確かな幸せがそこにあった。生きた意味があった。-時は流れる。思いは一つなれど、いずれ別れ、宙をたゆたう。時は流れ、また別の生を得る貴方と我。いつか、また巡り会う…。最高でした。

2018/04/24

たいぱぱ

[名残]とは「人と別れるときに思い切れない気持ちが残ること。また、その気持ち」正に今、『君の名残を』の名残に浸っています。タイムスリップ物にも関わらず、しっかりとした歴史物だった本作は、切ない余韻を残すのは必至。女性なら友恵に自身を重ねるでしょうが、男の僕は武蔵の気持ちを考えずにはいられません。友恵は好きな人なのか?親友なのか?しかし特別な人だったのは間違いありません。そして武蔵坊弁慶の仁王立ちは幸せを感じていたと確信しています。高橋克彦「炎立つ」に続き、やっぱり源頼朝は糞野郎でした。誰か首跳ねてよ(笑)

2020/10/26

ポチ

読み友さんより。一気に読みました。疲れました。武蔵と友恵の最期の場面が何とも言えず切なかったけれど、清々しく感じられ「やっと役割が終わったね‼︎お疲れ様!」と、大きく息を吐いてしまいました。いい本です(^^)

2017/02/11

さき@merry

「輪廻転生」「運命」といったテーマを、タイムスリップを組み込むことによって、より厚みを持たせて描いている時代小説。著者が巻末で、影響を受けたと書かれていたように、手塚治虫「火の鳥」を彷彿とさせる壮大な死生観だった。タイムスリップという設定でよくある「時代のギャップに驚き、元の時代に戻ろうと奮闘する」という展開ではない。登場人物達はすんなりと時代に溶け込み、そこで大切な人を見つけ、その時代に根差していく。愛おしく思っている人の壮絶な最期を歴史で知っていながら、それをなぞることしかできない切なさが胸に迫った。

2016/10/13

感想・レビューをもっと見る