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カフーを待ちわびて

カフーを待ちわびて

カフーを待ちわびて

作家
原田マハ
出版社
宝島社
発売日
2006-03-20
ISBN
9784796652124
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カフーを待ちわびて / 感想・レビュー

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遥かなる想い

第1回『日本ラブストーリー大賞』大賞受賞作というので、読んだ。確かに沖縄の海が目に浮かぶようなラブストーリで、「幸」という女性を見事に描きこんでいる。「幸」とは何者なのか・・いろんな想いが錯綜しながら、よいラブストーリーだと思う。個人的にはもう少し悪役を設定すれば、必死になれるのだが、やや優しすぎる感が残る。

2010/05/23

ユメ

沖縄の地を踏んだことがないヤマトンチュの私だが、読んでいる間は紺碧の景色が目に映る気がして。穏やかな夏を過ごしながら、明青や幸と一緒におばあから沢山のことを教わった。立ち止まりがちな私の胸を、南風のように通り抜ける言葉たち。大事にしたいと思える人がいることを、当たり前のように勘違いしてしまう時も多いけれど、こうして本に「それは違うよ」と言ってもらえる私は幸運だ。再び奇跡が起こるはず。だって、島でカフーが待っているのだから。柔らかな余韻に身を浸しながら、そう信じていられる。彼女の名もまた「カフー」なのだね。

2015/04/22

文庫フリーク@灯れ松明の火

「カフーが待ってる。島へ、帰ろう」最終ページの言葉に込められたさまざまな想い。愛犬の名でもあり、果報・幸せを意味するカフー。本当の家族になろう、と呼び掛けているようで、これは複雑な想いの果ての、極めてシンプルなプロポーズの言葉でもある。映像化が前提としてあるにせよ、この沖縄‐与那喜島の世界感‐時間さえゆったりと流れているような雰囲気を、文章で描くことは至難の技と感じる。お互いに名前すら呼べない明青と幸。もどかしさが切なさに変わり、愛しさに変わる。この物語で自分の感じた想いを、うまく言葉にできずに→続く

2012/11/07

ちはや@灯れ松明の火

胃がぽっこりするまでごはんをたくさん食べさせてあげたい、顔に落書きされても気づかないほどぐっすり眠らせてあげたい、腹筋よじれそうなくらい思いきり笑わせてあげたい。一体何がしたいんだって聞かれたら、幸せにしてあげたいんだって答えよう。おはよう、おやすみ。おなかすいた、おいしい、おかわり。おかえり、ただいま。小さなことばを毎日重ねていくだけで、あたたかさにふと泣きたくなる。ずっと、これが欲しかったんだと。ずっと、ここで、一緒にいたいと。名前を呼んで。名前で呼ばせて。それだけで、笑えるくらい幸せになれるから。

2012/11/21

nyanco

マハさんのデビュー作、なかなか読めずにいたのですが、やっと読むことが出来ました。「日本ラブストーリー大賞」でデビューだったんですよね。沖縄の離島・与那喜島、一人暮らしの青年のところに、「お嫁さんにしてください」と言って現れたちゅらさん。映像化しやすく、女子受けしやすい設定だなぁ…と思いながらも、そこにリゾート開発を絡ませて、物語を何層にも展開させていくのはやっぱりマハさん、巧いねー 明青の不器用さ、幸とおばあの様子…など、エピソードのひとつひとつの作り方も丁寧で、人物の描き上げ方も非常に良かったです。続→

2013/04/30

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