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カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

作家
原田マハ
出版社
宝島社
発売日
2008-05-12
ISBN
9784796663526
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カフーを待ちわびて (宝島社文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

第1回『日本ラブストーリー大賞』に相応しい、紛れもない正攻法の恋愛小説。この作品を単純な対幻想の物語から救っているのは、おばあの存在だ。おばあと明青との間に血縁がない設定は、幸に幻の家族を夢想させることにも繋がり、物語の核を形作ってもいる。輝きを添えるのは、もちろん沖縄の海と太陽、そして気が付きにくいのだが実は闇だ。また、全く行動力のない明青の代わりにストーリーを進行させていくのが渡や俊一たち。やや作り込み過ぎたために終盤に幾分無理が生じないでもないが、デビュー作ということを考慮に入れれば、もう上出来だ。

2016/09/28

沖縄の美しい風景、海、人々が思い浮かぶような素敵な話でした。カフー(犬)も可愛い。沖縄の人たちは血が繋がっていなくても周囲との絆が強くて心優しく、住んでいる場所や古くからの伝統、島の植物も大切にしたりと地元愛も強い。本土の慌ただしい毎日とは全然違う暮らしをされていて羨ましいです。明青と幸が幸せになってほしい!以降の結末が気になるところです。

2018/09/17

ちょこまーぶる

ほのぼのとした良い話。なんと言っても、明青の生き方や南の島の大自然が相性良くマッチしていて、その風景が脳裏に映し出されるように読み進める事が出来た事にびっくりした次第である。そして、友からの裏切り(騙し)に対しても許せる心を持つ明青という人物は南の島が作り出した産物なのではないだろうか・・・。読み終えてすぐに考えた事は、白いワンピースを着た幸に逢ってみたい、カフーの頭を撫ぜてみたい、カフーとの遊びのためにサンゴ礁の塊を海に投げ入れてみたいという事であった。そして、明青と幸が出会ってほしいということ・・・。

2014/01/22

zero1

カフー(幸せ、吉報)は届くか?粗いが訴えたいことは伝わってくる恋愛小説。原田のデビュー作を再読。沖縄の離島が舞台。父が亡くなり母は家を出た明青は雑貨店を経営し犬のカフーと暮す。裏に住むユタ(巫女)のおばあが食事を作ってくれていた。彼が書いた旅先の絵馬【嫁に来ないか】を見て、女性が【お嫁さんにして】と手紙を送ってくる。冗談かと思ったら本当に幸という女性が現れる。彼女の正体は?島でのリゾート計画で島民たちの間に溝が。05年「日本ラブストーリー大賞」受賞作。09年、玉山鉄二の主演で映画化。有川浩の世界に近い?

2019/11/11

再び読書

沖縄のゆっくりと流れる時間に癒されながら、明青の踏み込みの甘さに終始いらいらさせられる。いくらなんでも、ここまでほったらかしは無いだろうと思う。幸の思いが伝わらないのが、もどかしい。何故何もかも、受け止めてやれないのか?彼の旅に終止符がうたれることを祈るのが、せめてもの同情か。ただでさえ、時間の流れが遅い沖縄の離島、あまりこの言い方は好きでは無いが、多分ここでの時間は更に想像以上に、ゆっくり時間が流れるのだろう。沖縄の素晴らしい自然が染み入る、そんな感じが統一の読書感でした。

2013/06/30

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