メタ・バロンの一族 上 (ShoPro Books)
メタ・バロンの一族 上 (ShoPro Books) / 感想・レビュー
kasukade
いつも自己中な考えで人を振り回し美女に恋して美女に捨てられて(先立たれて)代を重ねるごとに強くなる「メタ・バロン」。これの繰り返しですがこのパターンに何か意味がありそうですし、徐々に性格以外の部分で変化が起こってきてるようにおもえます。多分下巻を読み終わればその答えが見えるっぽいですね。同じことの繰り返しなので飽きそうですが絵がスゴイ卓越された巧さなのと話とコマ割りが面白いので読ませてくれます。もし話に飽きても絵を眺めるだけで十分楽しめるスペースオペラだとおもいます。
2013/09/01
udonkusoyarou
「アンカル」に登場した宇宙一冷酷な殺し屋メタ・バロン。通過儀礼と親殺しを繰り返し連綿と受け継がれてきた宇宙最強の血脈。その呪われた系譜を描く一族の壮大なスペース・サーガ。イラストはアルゼンチン人BD画家のヒメネス。湿気を帯びた禍々しいタッチがクリーチャー、異星人のキモさを際立てせていました。クジラ型の半有機物戦艦とか、結合双生児の銀河皇帝と、スペース・オペラギミックがたまらんですね!!
2012/08/01
ビシャカナ
宇宙の片隅の一族から、やがて宇宙最強の男が生まれ、復讐と決闘の運命に呑まれていく壮大なスペースオペラ、しかしストーリーは同じようなことの繰り返し、やっている事は感情的な衝突の繰り返し、だがそれがフルカラーの迫真の絵柄で描かれると不思議な魅力を持ってくる。この作品は面白いとか面白くないとかではなく呑まれるような作品だ。それにしても女性が美しいとか可愛いとかじゃなくて怖いよ、全然色気が感じられないんですけど、外国人の趣味なんだろうか
2013/06/22
いっぺい
ヒメネスの、R-TYPEに出てくるような生体戦艦や異星人の描写とか緻密な機械の描写がとにかく凄い。ギリシア悲劇にSF的要素を加えたような親子の間の闘いや血みどろの戦闘シーン、一方でその間に挟まれる語り手ロボットと聞き手ロボットの喜劇的な掛け合いが印象的だった。下巻が楽しみ。
2012/10/12
ピリカ・ラザンギ
ホドロフスキーの「アンカル」に出てきたメタ・バロンをめぐる呪われた一族のサーガ。ホドロフスキーはSFの神話を作ろうとしたことが前書きに書かれている。画はメビウスではなくフアン・ヒメネスなのだけど、メビウスのイメージ先行というかニューエイジ的なのとは違ってリアルな絵画的でこれがかっこいい(表紙はレンブラント風にしている)。神話モチーフの絵画のよう。メビウスの『ソリューンの誕生』と冒頭がほぼ同じ。語り手のトントとロタールの会話が楽しい。話の内容の解説は巻末に書かれている。
2019/09/05
感想・レビューをもっと見る