家 (ShoPro Books)
家 (ShoPro Books) / 感想・レビュー
かんやん
スペインのバンド・デシネ。父親が晩年を過ごしたセカンドハウスは、すっかり荒れ果てていた。三人の成人した子どもたちが家族を連れてこの家に集う。修理して、売りに出すために。枝を切り、ペンキを塗り、棚をつくる、それぞれ具体的な作業の描写に引き込まれる。その作業を通じて、三人は父との思い出を語り合うのだ。故人を悼むって、こういう事なんだと思った。表紙を見てもらえばわかると思うんだけど、オールカラーの絵がとても静かで寂しくて、うら哀しい。ひび割れ、落ち葉、木漏れ日……。
2023/03/13
ヨコツ
物語の時の流れを感じさせる横長本、普遍的なテーマ、完成された演出、多くを語りすぎない登場人物。白眉。
2019/09/24
ららら
お父さんとの思い出と現在を行ったり来たりする描写が味わい深い。あるときは邪魔だけどないと寂しくなっちゃうものなのかも。
2021/08/29
clintwestwood
家族への相反する感情、痛みや後悔と愛が、遺品整理のために家を整理することを通して浄化されていく。結局、親を完全に理解することはできないのだろうが、それでも良しとする作者の温かみのある距離感がいい。前編を通して押し付けがましいお涙頂戴のシーンがなく、この温かいとも冷めているとも言える距離感が家族という関係そのものを表している気がする。最後のイチジクの木を植え替えて残そうとするマノロの姿に思わず泣きそうになった。
2023/08/09
Comics
亡くなったお父さんの別荘修理を通じたレクイエム絵本。なかなか味わい深い。
2021/04/03
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