大聖堂-果てしなき世界(上) (ソフトバンク文庫)
大聖堂-果てしなき世界(上) (ソフトバンク文庫) / 感想・レビュー
キムチ
とにかく、人の名前と関係が入ってこない。慣れた頃に上巻読了。「大聖堂」の流れ上にあるとはいえ、独立した面白さを見せているとも言える。前作にあった人の対立図式が似通っており、ヒール役ゴドウィン・ラルフ、グウェンダ・カリスらが見せる中世の愛、欲望、金欲、権力欲など等ごった煮風。大聖堂を作りあげる!だったテーマが今回は・・まだ、見えてこない。出来上がったキングスブリッジに群れる修道僧の生臭さが見え見え、そして新たに登場した女子修道院がどんな展開を見せるか楽しみ。目を反らさせないのはグウェンダ。逞しく美しい☆
2017/04/26
翔亀
【コロナ24-1】12世紀英国の大聖堂の建築を軸に、修道士と領主(騎士)と農民の波乱万丈の生きざまを描き切った「大聖堂」の続編。同じ架空の街キングズブリッジを舞台に200年下る。14世紀、そう黒死病の時代だ。前作では清新で革新的な主役として物語を前へと引っ張っていた修道院長は、時代の変化だろうか今回は旧守的だ。騎士たちは相変わらず政争に明け暮れる。代わって、主役を張るのは、どうも女性陣の気配。全体の1/3を過ぎても、子ども時代と青年時代がじっくりと描かれるが、医師志望の羊毛商人の娘と、土地を持たない↓
2020/06/24
kinnov
熱狂をもって称賛された傑作の続編には、越えなければならない大きな壁がある。大聖堂建立を舞台として、中世英国に暮らす人々の聖邪、欲望と希望、暴力と愛を描ききった前作をどう越えるのか。続編の宿命を越えるために選ばれたのは150年後のキングズブリッジだった。壮健な建物を作り上げると言う分かりやすい目的がなくなったため、新しい骨格の見えてこない序盤こそ戸惑うが、修道院が理想から遠い世俗の塊になりそれに抗う人々の姿が生き生きと描かれ呼吸を感じられるようになる中盤以降は、新たな興奮に頁を捲る手が止められなくなった。
2018/02/18
ちゃま坊
前作より200年後14世紀の英国。日本では足利尊氏が生きていた時代。医者は僧侶と理髪師がやっていた。しかし瀉血ばかりやっていたので命も助からない。オックスフォード大学はこのころからあったのか。少女に盗みをさせないと生きていけない貧しい家族の話から始まる。凶作や疫病で貧富の差が拡大し、人身売買や魔女狩りなどが横行している。森で暮らす人たちの勢力は恐れの対象でもある。この巻大聖堂より橋の崩落と再建の話。
2021/08/02
タッキー
続編ものですが、まずページを開けて目についたのは、前作と比べて登場人物の多さ。あれだけ面白かった前作を上回れるのか。読む前からこちらが心配してしまいましたが、全くの杞憂でした。前作は登場人物も少なく、誰が悪い奴かもはっきりしていた反面、今回は登場人物が多いため人間関係も遥かに複雑で、まだこの時点では前作と違い、圧倒的な悪人もおらず、まだまだ手探りで読んでいる感じです。次に期待です!
2021/12/04
感想・レビューをもっと見る