大聖堂 BOXセット (ソフトバンク文庫)
大聖堂 BOXセット (ソフトバンク文庫) / 感想・レビュー
路人
大聖堂を読んだのは90年代だった。ナイロビのアパートのベランダで英語版を読んでいた。あれから20年以上経ち、その続編をプネで読み終えた。物語は4人の冒険から始まる。そう、“スタンバイミー“だ。かつて読んだ”大聖堂“には人間の強い意志を感じた。続編にはそれが無いという不満を抱きながら本作を読み進めた。読み終えた今、スタンバイミーが完結したかのようだ。20年前に前編を読んだ時に意志と未来を感じた。今には本編に人生を読み取る。
2018/06/03
ぷらんとぱいん
「読み出したら止まらない」とたくさんの人が感想に書いているがまさにその通りだった。中世イギリスのキングズブリッジを舞台にした半世紀も渡る物語。王政と宗教。領主と教会。そこに住む人々の風俗が練りこまれていて、かつ物語としても物凄くドラマチックで面白かった。
2016/05/10
Tomoko Watanabe
12世紀イギリス。「人はなぜ大聖堂を建てるのか」作者はその疑問の答えを求めてこれを書いたという。生きるのにぎりぎりだったはずの人々からこれだけのものをつくりだすだけのエネルギーをどうやって引き出せたのか。大聖堂に情熱を燃やす修道士と建築士。多々の艱難辛苦の中、本当に建てられるのか、志半ばで倒れ、また誰かに引きつかれるのか、ずっとハラハラし通しだった。理不尽にすべてを踏みにじろうとする暴力に立ち向かって目的を遂げようとする姿は凛々しかった。
2015/12/06
読虫
一度読み始めたら止まらない大いなる物語。ブラザー・フィリップの聖職者とは思えない程の政治手腕に魅惑されること請け合い。
きーよ
14世紀、英国キングスブリッジの町に大聖堂を持つ修道院を舞台に幼なじみの四人(建築士、修道女、騎士、農民)の2代にわたる波瀾万丈の人生を描くスペクタクルロマン。歴史的事実(エドワード三世(仏フィリップ六世との百年戦争)のフランス遠征やフレンツェから大流行し猛威をふるったペスト黒死病)を柱に、韓流のTVドラマのように、邪(よこしま)な悪人と彼らに唆された愚かな人々に苦しめられながらヒーローとヒロインが最後に勝つというパターンが繰り返され、最後はハッピーエンド。しっかりした時代考証とそれらの現代解釈は興味深い
2012/10/10
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