凍てつく世界 II (SB文庫)
凍てつく世界 II (SB文庫) / 感想・レビュー
KAZOO
第二部に入り世界の情勢も緊迫感を益してきます。ドイツにおけるナチスの台頭とその残虐性がわかりやすい言葉でかかれています。現実の出来事にフィクションをうまく絡めて読者をひきつけるのは相変わらずうまいと思いました。ただ最近読み終えたチボー家の人々と比べると、個々人の心情などのえがき方が若干薄いのかなあと感じています。
2015/02/16
キムチ
舞台前半はスペイン内線。国籍や出自が微妙に絡まる状況が描かれる。第二世代が時代背景を色濃く映して刻々と動いていく…カーラ、ロイド、デイジーそしてヴェルナー。それぞれの愛はさらに上の段階に。人として真摯な姿を求める生き方はファシズムとの対峙、憎悪、戦いに。だがついに障碍者への魔の手が牙を剥いた。後半はロンドン、ベルリンと移る。ドイツは次々に戦勝をかさね、SSマッケがその象徴であるかの如く描かれる。
2015/04/13
yutaro13
物語はスペイン内戦から第二次世界大戦へ。イギリスのロイドは自分の出生の秘密を知り、ドイツのカーラはナチスのT4作戦(障害者虐殺)を追い、アメリカ娘のデイジーは結婚に失敗し成長する。登場人物たちが広い世界でたまたま偶然出くわすご都合主義にはこの際目をつぶって物語に没頭するのが吉。次巻では日本も登場することでしょう。蛇足ですが、本書の原題は”Winter of the World”なので直訳すると「冬の世界」。翻訳の『凍てつく世界』だと冷戦時代を連想するのでこれが第三部かなって勘違いするよね。(自分だけ?)
2020/03/15
ちゃま坊
イギリス青年ロイドの出生の秘密が明らかになった。この物語の主人公が彼であると確信した。歴史上の出来事の現場にいて、ナチスの悪行やソ連赤軍の非道を目撃させている。ドイツがポーランドに侵攻してイギリスとの戦争が始まり、舞台はソ連、スペイン、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスに広がる。地理上の広がりと歴史の時間軸のつながりにスケールの大きさを感じる。優生学によるナチスの障碍者殺害が始まった。
2018/07/19
eriko*
面白くなってきた!歴史を描くのに過不足ない登場人物の配置が絶妙。
2018/04/19
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