永遠の始まり IV (SB文庫)
永遠の始まり IV (SB文庫) / 感想・レビュー
のっち♬
非暴力政策の失墜と自由で退廃的な60年代の終焉に続き、最終巻は米ソの改革。時の流れが加速し、人間劇は離反と再縁を繰り返すため淡白でせわしない、誰が誰に行き着くのか次第に興が削がれる。共産主義体制の限界を見据えたゴルバチョフは最重要人物、殆ど無条件で礼賛されているがわかりやすさ重視するコンセプトとしては一つの手だろう。だからこそレーガンに縋るキャムの普遍的な危うさに込められた冷笑が引き立つ。壁の崩壊は第一部からの読者なら感慨深く映ると思う。変革、解放、自由を求めて闘い続けた20世紀人の命運を編みあげた力作。
2024/01/18
KAZOO
ニクソン大統領のウオーターゲート事件に始まり、オバマ大統領の就任までが活写されています。その間の主人公たちの活躍などが描かれていてこの大河の群像劇も終わります。現実の政治的な動きの背景があったからこそ100年にわたる物語というのが読まれたのでしょうね。「チボー家の人々」を読みかえしたくなります。今度は「大聖堂」の第3部を作者は考えているようです。
2018/01/19
starbro
全四巻、2,300P弱、完読しました!これでケン・フォレットの百年三部作(シリーズ全11冊、5,800P強)もコンプリートです。本作は冷戦時代から現代までの約50年間を見事に描き切っています。単純に史実だけでなく、創作された登場人物が躍動して物語に厚みを持たせています。オバマは大統領になりましたが、有色人種、特に黒人差別は根深いものがあるんでしょうネ。本作を今年のBEST20候補に挙げたいとと思います。ケン・フォレットの未読の方、超長編に抵抗感のある人にもオススメです。
2016/05/17
のぶ
最終巻はニクソン就任からウオーターゲート事件での辞任。時代は進んで東側体制とベルリンの壁の崩壊までの話。最後はちょっと駆け足になったのがちょっと残念。もう1巻足してでもじっくり描いて欲しかった気はする。だが全体を通して近代の歴史の中で、人々の活き活きとした生活を取り入れた本当に面白い小説だった。個人的にジョンソン大統領の演説を、白黒テレビで見た記憶が幼いながらあり、その後の出来事はほぼ覚えているので、より楽しめたと思うが、知らない方も大河小説として絶対に楽しめる作品だと思う。
2016/05/19
キムチ
地球号に住む私も歴史を感じ見てきたはずだが読み終えるといかにノンシャランだったかを実感。半端なき疲労感。ノベルに史実を絡みこませた壮大な大河作品。1巻未読のまま4巻を終えた。スタート時の孫世代が主役。ベルリンの壁崩壊・米の相次ぐ大統領交代と公民権運動・ソ連から露の変貌が前面に出つつ、筆者のメッセージが収斂されて行く。国・思想・出自・性を超えた人間愛。当初・共産VS資本の思想対立をえぐるのかと思っていたが終えてみるとそうでなかった~圧政VS解放への果てなき闘い、そこに込められた自由の有難味・意義が湧き上がる
2017/10/11
感想・レビューをもっと見る