ファシズムの正体 (インターナショナル新書)
ファシズムの正体 (インターナショナル新書) / 感想・レビュー
あすなろ
グローバル化進展と国家機能強化は必然であり、リンクする。ピケティ等が言うとおり、資本主義の行く末は格差や貧困を招く。そうすると、19世紀頃の様相ではないがファシズムが台頭し易くなる。てばそのファシズムとは何か?ファシズムが正しく理解されていない。伊のムッソリーニ、独のヒトラー、日本の軍国主義と天皇との違いは述べられるか?はたまた現在のトランプ大統領等誕生の背景は?資本主義社会の閉塞状況を並存しながらも打破出来るのかファシズムなのである。社会より国家が上位に置かれ、排除の論理が産まれる。難解でしたが読破。
2019/06/23
テツ
ラジオでお話を伺っていてこの方好きだなと思ったので著書もちょくちょく読むように。気に入らない政治家を批判するときにファシズムだのファシストだの簡単に口にしがちだけれど、それらの言葉の本当の意味を知っている方は一体どのくらいいるのか。きっと群れって力のあるリーダーに率いられて僕らのような平々凡々な人間はそれに従うって形が一番合理的で楽なんだろうけれど、それを良しとしないのならきちんと学んで論理的に何故それを良しとしないのか自らの言葉で語らないといけないよな。勉強になりました。
2018/07/20
非日常口
ファシズムの評価が拍手と喝采だとするならば、今我々がSNSで気にしている「いいね」はファシズム的思考を促すツールと言えるのではないか。事実、普段顔を合わせる人からの注意を無視し、ネットに真実があると都合の良い話だけをピックアップする人がいて、まさに排除の論理ではないだろうか。資本主義社会に生きる我々の不幸は、現状聞こえのいい優しい共同体の皮を被ったファシズム以外に対抗馬がまだないことだろう。だが、安易に資本主義を止めることは難しい。本書はファシズム論理の乱暴さを暴き我々に免疫を作ってくれる。
2018/07/14
hk
「ナチスは民族を再定義し、ムッソリーニは国民を再定義して排他主義を行った」「ムッソリーニは民族の上に国民をおいた」なんとも漠然とした要約になってしまう。難解でわかった気にもなれない。恐らく本書を解った気になってしまうことが、エリート主義ファシズムへの一歩となるのだろう。「今は解らない」で止めておくのが健全なスタンスだ。誰だって解らない自分は歯がゆい。だからといって解ったと自己暗示をかけるのは知的怠慢というもの。解らない原因はワタシの予備知識不足か、はたまた著者の論理破綻か。解るまで学びを進めていきたい。
2018/06/20
Yukiko Yosuke
大抵の日本人が「ファシズム」と聞くとナチス・ドイツを連想するが、ファシズムとは本来、「国家の介入によって国民を統合し、自由主義的な資本種が生み出す問題を克服しようとするもの」で、実は福祉国家のイメージが強いという。本書では、イタリアのムッソリーニがどのようにファシズム独裁政権を確立したかを詳述するとともに、第二次世界大戦前後になぜファシズムが世界中に広がったのか、現代の日本でファシズム政権が成立するか、等を中立的な立場で述べる。どのように政権を奪取するかといったことも書かれていて面白い。
2023/06/14
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