しごと放浪記 自分の仕事を見つけたい人のために (インターナショナル新書)
しごと放浪記 自分の仕事を見つけたい人のために (インターナショナル新書) / 感想・レビュー
kokada_jnet
2021年刊行。『抱きしめる、東京 町とわたし』(1993年)から30年ぶりの、森まゆみの自伝的な著書。出版社時代にセクハラ・パワハラを受けたこと、町会などで生活の場で現在も続く男女差別、などが具体的に赤裸々と書かれている。また「谷根千」が「左翼的」と評価されたことに配慮して、仲間うちから地域の政治家を出さなかったことを後悔しているともある。なお、あとがきの日付が2020年3月で刊行が2021年8月。日付が間違っていなければ、刊行まで1年半もかかったということだが、いくらコロナの期間とはいえ、不自然だが。
2023/08/19
ヨータン
男女雇用機会均等法前の女子学生の大学や就職での扱いがリアルにわかり大変勉強になりました。それにインターネットが出回る前の出版会社や広告会社での仕事など、新鮮で面白かったです。企業で働くことが大変だった時代に自然体で生きてこられた著者素敵ですね。
2024/03/15
志村真幸
森まゆみの自伝である。 半生をふりかえり、自分のなしとげたこと、できなかったこと、やりかけのことが語られていく。とくに、怒りや批判が強く表現されており、そうした感情が森まゆみさんを突っ走らせてきたのだなということが、よくわかる。 自分が満足できる仕事をし、幸せに暮らしているだけでは、「優れた仕事」や「社会のための仕事」をすることはできない。そのことを強く教えられた。 森さんの本の裏側というか、ああした作品が生み出された背景が理解でき、とてもおもしろかった。いろいろと納得。再読してみたくなった。
2021/08/07
せしる
森まゆみさん、お名前はよく拝見していたもののこれが最初。予想以上に面白かった。とくに、男女雇用機会均等法施行前の森さんの学生時代、就職活動の話など、目から鱗。今の世代が当たり前のように享受している権利は開拓してきた先達がいてこそのこと。そう知りつつ、あまりの酷さと淡々とした森さんの筆致の対象に呆然としながら読んだ。私も若い人の感覚に耳を傾けなければと自省した。
2021/11/13
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