本屋な日々 青春篇
本屋な日々 青春篇 / 感想・レビュー
阿部義彦
石橋さんの本は「まっ直ぐに本を売る」に続いて二冊目です。出版社勤務を経て出版業界専門紙に携わり本の流通には詳しいですが新刊書店での販売の経験は無く、しかしその分この本の登場人物(殆どが新古書店の店長)との距離感が付かず離れずで絶妙で静かな情熱を感じさせます。圧巻は最後の本屋の日々60と61ですね。『傷だらけの店長』の著者筆名伊達雅彦さんのその後です。奥さん共々石垣島に移住してカフェと古本の店「うさぎ堂」をオープンしました。本屋は死なない。ベストセラー「出会い系サイトで~」の花田菜々子さんも登場します。
2018/07/21
onasu
出版業界誌の記者を経てフリーランスとなった著者の、新潟、名古屋、大阪、沖縄などの本屋さんとの交流記ですか。 ここの常連さん以外には何だかなあなタイトルに、売れるとは思えないニッチさだけど、読んでいくと、飾りのない表現で街の本屋さんの現状というか、ある一面が綴られていて、単なる紹介ではない、少しでも内情を覗かせてもらったような気分で頁を進めていける。 中でもは大阪堂島の小書店、通称本おやの女店主さん。機会があれば、おしゃべりしに行きたい。近場の店も載っていて、棚を眺めに行ったら、レジ前に数冊ありました。
2018/08/10
kochi
積読状態のこの本を手に取った時、まあ、本屋に関する本は、これ限りにしようかな、と思ったのだが…いやいやとんでもない。「止められないな」読み始めてすぐ、そんな予感がしたのは、冒頭の長谷川書店さんの話で、ノックアウトされたから。真ん中あたりに、月一で行く、「本おや」さんが登場ですが、事前に聞いてたのと違い、一章まるごとではないですか?すごい。沖縄や石垣島にも、本屋を口実に行ってみたい。そして、出先からの帰り、私の手にはどこかの古本屋で今日買った『傷だらけの店長』があったとさ。(ガクウンドウさんありがとう!)
2021/03/28
タカラ~ム
今、私の住む町には本屋がない。いや、正確には一軒ある。駅前のスーパーのテナントに入っている小さな本屋だ。しかも売り場の半分以上は文具やキャラクターグッズで溢れている。町から本屋は減っているけれど、まだまだ頑張っている本屋もあることを本書を読んで知った。本はネットで買えばいいという意見もあるだろうけど、やっぱり本屋は楽しい。だから、本屋には消えてほしくない。読者として利用者としての立場で本屋を全力で応援しようと思った。
2018/07/14
チェアー
青春篇とあったので、筆者の若い頃の話かと思ったら、まさにいま、本屋にかける熱量の高い「青春真っ只中」の人たちの話だった。いま、本屋をやるのは無謀で未来がないのかもしれない。でも青春ってそういうものだ。先がわかっていることに、だれが夢中になるものか。明日のことが分からないから、きょう無駄と思えることもできる。それがごくたまに常識をひっくり変えずから面白い。本屋のありようを巡って、戸惑い、立ち止まり、前進してはぶつかってしまう筆者の姿がリアル。「創だらけの店長」を既読の方は必読。
2018/09/10
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