狂気山脈の彼方へ (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)
狂気山脈の彼方へ (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ) / 感想・レビュー
sin
北野勇作)うねうねととりとめもない文章とご自身が作中に吐露されたごとく落ちに向かう過程がぐだぐだでまとまった感じがしない、断片的に描き出された情景は悪夢の雰囲気がよく伝わってきていいんだけど。黒木あるじ)某作家の“妖怪ハンター”や“暗黒神話”を彷彿とさせるし、展開が都合良すぎるがこの感じ嫌いじゃない。フーゴ・ハル)通常のゲームブックはその構成上からストーリーの輪郭をなぞるだけになりがちだがこの作品はなかなか読ませてくれる、ただしめんどくささを我慢すればだが(笑)
2014/12/29
NEED LESS
南極に存在するヒマラヤ山脈をも凌駕する巨大な「狂気山脈」。ラヴクラフトが創造したこの地をテーマにした3作が収まっています。「頭山脈」は落語とクトゥルフ神話の組み合わせ。アンソロジー『秘神』でも同テーマがありましたがこちらは最後のどんでん返しが小気味良い。「恐怖学者羅文蔵人の憂鬱なる二日間」は羅文のキャラクターが凄くキマっている。シリーズ化も十分狙えるコミカルな設定。「レーリッヒ断章の考察」はゲームブック。最初に示された限られた資料と後から継ぎ足された資料を併せて読むだけでこんなにも印象が変わるとは。
2015/10/19
gu
北野勇作の『どーなつ』という容れ物はクトゥルーにお誂え向きだったことを発見できた『頭山脈』。徹頭徹尾B級、終いには怪獣バトルの『恐怖学者~』はしかしエンタメのツボは押さえているので飽きずにさらっと読めた。ショゴスvsビオランテ(古のもの)は胸熱。『レーリッヒ断章の考察』は予想以上によく作り込まれていて感心した。「ゲームブック」と「コルタサルの『石蹴り遊び』的なアレ」と、紹介するならどっちが通りがいいんだろう。
2015/01/31
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