大いなる闇の喚び声 美術調律者、最後の戦い (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)
大いなる闇の喚び声 美術調律者、最後の戦い (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ) / 感想・レビュー
sin
ヨグ=ソトース:狂った宗教家、自殺した彫刻家、殺害された音楽家…叔父たちと存在を超越した父…黒い血を引き継ぐ家系の闘いがそれぞれの創作物の描写を描き出しながら、そして様々な媒体手段を使って繰り広げられる。物語は独特な雰囲気を醸し出している。惜しむらくは美青年と男装の麗人など類型的な登場人物と肩すかしなハッピーエンド。
2016/07/01
カナン
シリーズ最終巻。わざわざ角川ホラーからCMFにしたのにこの程度で終わりかと正直かなりの肩透かしを食らった。これまで影を散々に苦しめ続け、数多の死人を出した実父がクトゥルーの前では赤子の手を捻る程度の存在にしか過ぎず、血を継いだ実子である影は兎も角、彼の友人の明と光までもが正気を保ったまま、後遺症も無く平然と健康的に生きていることで神々の力関係が一気に崩壊してしまった。これではクトゥルーの邪悪な美も、この巻までに犠牲になった能力者達も何だったのかと思ってしまう。おまけのようにカップル成立するのも何とも微妙。
2023/04/17
ettyan えっちゃん
シリーズ4冊目で最終巻。角川ホラーから既巻が三巻でていまして。なぜかこの巻だけ,CMFからでるというのは,やはり一般的にクトゥルーものには,理解がないからなのか。それとも単に人気がなかったのか。ラストバトルはあれが出てくるだろうと楽しみにしていたが,それほど激しい感じでもなく。父親が意外にあっさりと倒れるし,人間がクトゥルーを見て吐くぐらいですむかよと思ったりもする。いっそ,もう二人の戦いに巻き込まれて地球が滅ぶぐらいの勢いがほしいが,それをやると怒られるのだろうなあと勘ぐったりしていました。
2017/02/04
ぶうたん
最近の著書が大半時代小説で、流石についていけなかったのだが、これはホラーなので喜んで読ませていただいた。角川ホラー文庫から出ているシリーズの完結編にあたる。角川から出なかったのは事情があるのだろう。やや気取った文章や漢字へのこだわり、クトゥルー等、著書らしさが横溢しており、自分は3巻だけ既読だが、本書だけ読んでも十分楽しめたろうと思う。
2015/06/24
NEED LESS
「美術調律者・影」シリーズ最終作。前作で実父に完敗し、恐ろしいものを見た影。しかし、父親の悪霊を倒すことは自身に課せられた使命であると黒形上をおびき寄せるために、影は周りの協力のもと、展覧会を開くことにする。展覧会に訪れた人は黒形上の影響を受け、事件を起こす人もいたが、悪霊を倒す為と展覧会は続行される。そして遂に最終決戦。影は家族のように接してきた光と明の兄妹と共に黒形上へ戦いを挑む。その様子はアートバトルとでも言うべき描写。恐ろしい戦いの果てに得た結末とは?
2016/03/15
感想・レビューをもっと見る