大東亜忍法帖 上 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)
大東亜忍法帖 上 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ) / 感想・レビュー
海猫
魔界転生の丁寧なオマージュで、外枠を徹底的に踏襲。その上で各剣士を一人ずつスカウトしていく展開には独自の面白さがあり、各エピソード読ませるので伝奇小説の楽しみに溢れていると言えよう。重厚な文体なのに、ところどころパロディー的なネタが入ってくるのが異様な可笑しみ。オマージュやパロディーで作品が成り立っているわりに読者を選びすぎる内容でもなく、むしろ自由さを獲得しており最前線のエンターテイメントとして上々の仕上がり。この感じはタランティーノの映画作品にも近い。最高の下地作りではあったが、下巻いかに展開するか?
2016/10/06
Bugsy Malone
時は幕末から維新後、山田一風斎と名乗る陰陽師は次々と名だたる剣豪達を蘇らせる。その数十二人。彼等を蘇らせた一風斎の目論みは?、その正体は?とても面白いのに下巻が発売されなかった本書、続きは電子書籍の完全版で!
2021/04/24
さらば火野正平・寺
山田風太郎『魔界転生』のオマージュなおかつ幕末明治ものと知り、かねてから読みたいとは思っていたが、何と出版社がこの物語の下巻を発売しないと言い著者と揉めていると知ってますます読みたくなった。一読。こんなの面白いに決まっている。面白い面白い(2度言う)。巻を措く能わずであった。上巻でもう過激だもの(笑)。下巻のエスカレートを想像するとゾクゾクせざるを得ない。過激な設定の中に、いい意味で期待を裏切る脱力シーンがあったり、小ネタや秀逸なギャグ、著者の人物批評があり、読む楽しさが半端ない。下巻を発売しないのは罪。
2016/12/10
けやき
もう最高です! この世に悔いを残して死んだ剣士(正確には剣士限定ではないけど)が全盛期の力で蘇るマカイテンショウならぬ、マガイテンソウ。山風をリスペクトしてますよね~。 これは読むしかないでしょう! そして蘇るのが、千葉周作、男谷精一郎、伊庭軍兵衛(八郎の方よ)、近藤勇、土方歳三、沖田総司、物外不遷、大石進、坂本龍馬、岡田以蔵、田中新兵衛、河上彦斎と大スターばかりだぁ~!! これを束ねるは、山田一風斎。彼らの目的は…? 下巻も楽しみです!!! 大事なんで二回言います。これは読むしかないでしょうw
2016/11/12
はじめさん
山田風太郎「魔界転生」へのオマージュ。明治5年。陰陽師・山田一風斎の秘術・擬界転送により、替え玉で死地を切り抜け、全盛期の体力を得た12人の倒幕佐幕ごった煮、剣豪剣聖人斬り集団。倒すべき敵は明治新政府。上巻たる今巻では原典と同じく「敵の編成」まで。ドリームチームならぬナイトメアチーム。下巻で登場する魔人を狩る「ヒーロー」は、荒山作品+魔界転生とくれば柳生新陰流? 期待煽りまくりの次巻予告が熱い! ストIIか! / けれど下巻販売中止。「話は聞かせて貰った。うちの版元で出したるわ」と男前なヒーローはいずこ?
2016/12/19
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