血鬼の国
血鬼の国 / 感想・レビュー
海猫
菊地秀行の実績や力量がよく出た作品。剣豪小説、伝奇ロマン、ホラー。どの要素も上質でしかも見事に融合。題材は詰め込んであるのに、簡潔な語りでコンパクトにまとまっている点も大いに買い。作中、漂う殺気が素晴らしい。すべての描写が堂に入ってますなー。ラストが投げっぱなしではなく、きっちり決着がつくので大いに満足。なので、これ一冊で納得の内容であるがあとがきによると著者は続編書く気満々。続きが出たらきっと読みます。
2016/06/21
ettyan えっちゃん
菊池秀行先生だから,吸血鬼の書き方は心配ないのです。というのも,最近の吸血鬼ものを読んでいると,やたら無敵だったり,強すぎたりするからです。光に弱い,神仏に弱い。実は欲望に弱い。でも,力は強い。このあたりの強弱の付け方が吸血鬼の魅力だと思うので。このあたりをしっかりとオーソドックスに押さえた上で,柳生十兵衛と宮本武蔵と益田四郎が出てくればもう,言うことないのです。一気に読み終えました。楽しかった。願わくば,続編もあるといいなあ。あのお方やあのお方も出てくるといいなあ。女性だとちょっと物足りないので。
2016/06/05
紫
吸血鬼×剣豪! 吸血鬼退治のヒーロー役は柳生十兵衛。いろいろあって吸血鬼と化した宮本武蔵と対決することに。というあらすじから、すわ、菊地秀行版『魔界転生』か!? と期待も大きく読んでみたのですが……うーん、剣豪モノとしても吸血鬼モノとしてもいまひとつといおうか、何ともちぐはぐで食い合わせが悪い印象。全体に薄いといおうか、淡泊といいましょうか、盛り上がりを欠くんであります。吸血美女ラミアも小物っぽくて残念。美形キャラだと友矩とかぶってしまうせいか、珍しく三枚目な役まわりの益田四郎が意外なおいしさ。星3つ。
2016/11/17
きゃめる
吸血鬼vs柳生十兵衛&益田四郎(!)てだけでもお腹いっぱいなのに、加えてあの剣豪まで参戦させるサービス過剰っぷりが如何にも作者らしいw 登場キャラに手垢がつきすぎていて意外性に欠けるのが難と言えば難ではあるが、その分安定感はあるとも言える。時代伝奇好きなら、読んで損はないかと
2016/06/05
辺野錠
柳生十兵衛&天草四郎VS吸血鬼のバトルが手堅くまとめられているという印象(手堅過ぎるという気はしてしまった)。天草四郎がヴァンパイアハンターで短期間で何人も仲間を集めることが出来るほどカリスマ性があるという設定は面白いと思った。
2017/12/03
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