小池龍之介さん、煩悩ってどうすればいいんですか?
小池龍之介さん、煩悩ってどうすればいいんですか? / 感想・レビュー
夜間飛行
テリーさんの、人はみな孤独死だという話…見舞いに来た友人達が目配せして帰る話に、家族も同じだと思った。小池さんが過食症だった時の、よく嚙んで食べることに専念し、食べ物の解像度が上がっていく話も興味深かった。この人はどんな質問にも冷静にさらっと答えるが、浮世離れしているわけではなく、何かを地道に積みあげてきた人という印象だ。私には煩悩という見方そのものが新鮮で、そこから行為や観念が違って見えるのに目を瞠った。一方、若者や教育を巡るお二人の話は鋭いなと思いつつも愚痴に聞こえる所が多少あり、それはそれで面白い。
2022/05/25
ぱんにゃー
【ちょっと考えれば解ります(笑)】 「(テリー)60歳過ぎても、ぜんぜん煩悩がすてられないんです。(小池)「煩悩を捨てたい」というのが、そもそも煩悩なのです。」 余談:座禅で「無心を求めたら無心じゃない」(^^♪/それはさておき、『一方では、「成熟した人間として穏やかでいたい」と思い、他方では「未熟なまま、情熱的でありたい」と思う。』私も、この葛藤が数年続きました。 (今は「1粒で2度美味しい」という感じ?♪)
2015/09/22
きゃんたか
恋やら仕事のありきたりなお悩み相談に、清潔感漂うインテリ僧侶が淡々と答えてくれる。お二人の親しみやすい人柄なども相まって、肩肘張らずさくさく読める良本。瞑想はあえて10カウントで区切り、目標を据えずに続けるというアドバイスは思わず唸った。他にも「さとり世代」は自分を傷つけたくない煩悩が強いだけとか、男は本来弱いという指摘も、小賢しい理念や妄念に囚われない生き方を心得た僧侶ならでは、鋭い知見が随所で光る。仏教徒ではないためか、「世界に正義はない」と言い切る辺りは流石に気になるが。
2021/07/14
文章で飯を食う
長い間、気になっていたので、酔った勢いで、アマゾンで発注。テリーさんの煩悩を小池さんが丁寧に解読していく。面白かったのは、食べることに集中していると、もう、このまま死んでも良いと思える、と言う話。自意識をなるべく減らして、没頭すれば幸福は得られること。小池さんがお団子を作ってお花見に行く話も良かった。欲望に振り回されず、平穏な日々に、ちょっとした幸福感。もっともっとの欲に駆られると、手に入れても、味合う事ができず、さらにもっともっとの餓鬼道が待っているのね。
2018/02/10
さく
テリーさんはもう煩悩のままに生きれば良いじゃないか、と言いたくなる。そこを小池さんは煩悩があるのは苦しみの元だから上手にバランスをとった方がいいですよと返す。優しい。毎日同じ服を着るのが楽(小池)というのはなんだかつまらないと思うし、60歳でもまだモテたい(テリー)というのはギラギラしてんなと思う。この本は両極端の二人の対話なわけで、自分はどっちでもない、そういう己よなぁと。
2018/08/02
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