天皇とは何か (宝島社新書)
天皇とは何か (宝島社新書) / 感想・レビュー
Kaz
天皇についてほとんど知らなかった。学校教育でもしっかりと教えていくべきだと思うのですが、いかかでしょう。文部科学省のお歴々方。
2017/12/27
すうさん
再読しました。天皇制というある種日本のタブーに取り組んだ本。取り組んだといっても秘密を暴き出したというものではなく、日本の歴史の中で我々の天皇に対する考え方や現代の天皇制への無知さを取り上げている。本書は今の上皇様が天皇陛下であった少し前の時代なのだが、今も天皇制度への議論は全く進んでいないうえ、先日秋篠宮眞子様も皇籍離脱して皇室を取巻く現状は一層厳しさを増している。これは日本人の宗教や歴史(とくに天皇)に関しての無知のせいばかりではなく、見て見ぬふりをする日本人の言霊信仰を想起するのは私だけだろうか。
2021/11/05
ココアにんにく
改元や記紀編纂1300年などでタイトルのように「天皇とは何か?」と思う機会が増えました。中でも不思議だったのが時の実力者がなぜ天皇家を滅ぼさなかったのか?天皇の存在が正統性の担保になっていた。藤原氏の関白制度から始まり武家の世になっても他国のように易姓革命にならない点がすごい。巻末の天皇家の系図を見ながら歴史をたどると○○時代で分けるより一連の流れとして分かりやすい。他に興味深かった箇所~鉄器の存在、怨霊信仰からくる「敗者を立てる」、和気清麻呂と宇佐八幡、上皇のシステム、明治以降の話、そしてこれから
2020/10/15
こっこ
★★★☆☆ 「はじめに」で島田氏が述べているが、暴走気味の伊沢氏と抑制的な島田氏との対比が面白い。ただ両者の意見が異なっていても割とさらりと流してしまっていて、もっと論争して欲しかった感はする。以下印象的な箇所を引用する。「天皇制は、社会的な制度であるとともに、日本の国民の想像力の産物でもあります。つまり、天皇制には実態と幻想とが入り交じっているわけです」そして古代から現代に至るまでの2600年余の天皇をめぐる歴史について語られる。最期に現在の皇室が、まさにその後継者問題において存亡の危機に→
2019/07/28
awe
天皇家とは弥生時代に日本列島に台頭してきた農耕民族で、武力を背景に狩猟採集民族を従えてきた。「ケガレ」を伴う物事≒権力を貴族・武士等の下部組織に託して自らは手を引き「権威」のみを身に纏った。藤原氏や武士達は、滅ぼそうと思えば滅ぼせた天皇家を敢えて残し自らの正当性を担保する存在として利用した。日本人には「血筋」に対する信仰がありそれが天皇制を維持した。以上は井沢の説明。それは推論に過ぎないと切り捨てるのは簡単だが、史料が少ないのである程度そういうことは必要なのかもしれない。ただ島田の発言が少なめで少し残念。
2017/11/27
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