貫井徳郎症候群 (宝島社文庫)
貫井徳郎症候群 (宝島社文庫) / 感想・レビュー
たこやき
04年刊行のムックを大幅に改稿した一冊。様々な評論や、本人による解説などを載せた1冊。個人的に印象に残ったのは、瀬名秀明氏と貫井氏の対談。貫井氏って、プロットを殆ど立てないで書いているって本当ですか? と驚いた。緻密な仕掛けとかがあるのに? と。一方、分量の大半を締める『死の抱擁』は、解説などでもあるように、様々な作品の要素を感じる。ただ、その中で、トラブルによって雁字搦めにされていく様が、奥田英朗氏の『邪魔』とも重なっているように感じた。
2013/04/16
ヒラソル
嗚呼、悶絶。なぜ続きがないのよ!謎だけが残されて未完とは・・・。彼の死が不憫だならない。あの事件がどうやって解明されていくのかという過程も読み応えありそうなのになぁ。物語に入り込んでからは一気読みだったように相変わらず読ませる。初期作品の重厚さを携えていてこのあとの展開を期待させる。未完だからこそ失望する可能性はないがこの先を読むカタルシスを得ることもない。しかし内容は作品評論や対談、作者による作品への一言など盛りだくさんで楽しめるものであった。でもでも嗚呼、悶絶。これもまた一興か。
2013/05/25
left7
貫井さんご自身の作品への想いや色々な方の貫井さんの作品への考察や感想など面白かったです。さらに、未発表長編には貫井さんの作品の様々な要素が散りばめられている感じがしました。貫井さんの作品は重たくてなかなか読み進められないけど、読むのをやめられない不思議な魅力があるので、これからも読み続けていこうと思います。
2013/04/19
Keystone
貫井徳郎ファンブック。鮎川哲賞選考委員だった北村薫氏の秘話に興奮。当たりを引いた北村氏の所には、近藤史恵さんの「凍える島」があり、これで決まりだなと思って「慟哭」を読み出し、「おや?」となったそう。どちらも大好きな作家さんです。未完の長編「死の抱擁」が面白くて、続きを読みたいのですが、完成する可能性はゼロだそうで、大変残念。
2013/05/27
ゆきらぱ
貫井徳郎さんのファンなら必見のガイドブック。これからも何度も読み返しそう。未完の作品、というのが好きなので巻末の「死の抱擁」も良かった。
2013/04/22
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