いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
いつまでもショパン (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ) / 感想・レビュー
ちょこまーぶる
岬洋介シリーズは、最早クラシック音楽の教本で、読んでいながらにして曲の解釈と演奏者の心理状況を知ることのできる読み物である。ワルシャワのショパンコンクールが舞台であるが、盲目の日本人演者はあの方がモデルかな?と思いながら読み進めたが、今回の犯人探しは、えっ!!と驚かされる事は無かったことと、岬先生の謎解き場面が少なかったのがちょっぴり残念であった。しかし、音楽が人の心の葛藤を素直にさせる力があるという事は十分に伝わる一冊であった。そして、この本を読んでいる期間中に、ショパンのCDを2枚購入してしまった。
2014/04/19
れみ
舞台はポーランド、ワルシャワ。ショパン・コンクール開催中に市内ではテロ、会場では刑事が殺害される事件が発生し、その犯人の正体に迫るのはコンクール出場者である岬洋介…というお話。政治色の強い雰囲気で始まりながらコンクールの緊張感や音楽描写の相変わらずの素晴らしさに引き込まれて時折<ピアニスト>の登場で事件に引き戻される感じ。事件の謎解きもさることながら本人の預かり知らぬところで大変なことになっている岬先生はやっぱり凄い。作中に登場する曲は知らないものが沢山あったので次は曲を聴いてから読みたい。
2014/03/01
SJW
今回の舞台はなんとポーランドのワルシャワでのショパンコンクール!岬シリーズ、初の海外ロケ敢行(ロケではないか)といった感じ。それもアルカイダのテロで登場人物が亡くなり悲しくて泣いてしまったが、スケールが大きくなっている。主人公はポーランドの音楽の名家の子息ヤンで岬と一緒にコンクールに出る。犯人逮捕はあっけなかったが、ショパンの多くの曲が描写されており、YouTubeで聞きながら読み進めるとあたかもその場所で物語を見ているかのようになり、ストーリーに引き込まれてしまった。
2017/10/26
takaC
自分のように演奏シーンをぱらぱらっと斜め読みしているようではこのシリーズを十二分に堪能しているとは言えないんだろうな。
2016/11/28
nobby
シリーズ3作目。舞台がポーランド、それもテロリスト主犯〈ピアニスト〉の対峙とはスケールの大きさにまずびっくり!ミステリー部分は今回は控えめだったが、頂点を競うピアニスト達によるショパンコンクールの模様は白熱極まりない。テロの残虐な描写は痛々しいが、ヤンの覚醒と物語終盤にむけての演出では不可避か。それにしても、演奏シーンの細かさ、それでいての疾走感はたまらない。個人的には、懐かしいあの娘も登場したのでドビュッシーな続きが読みたい。
2014/08/18
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