職業としての風俗嬢 (宝島社新書)
職業としての風俗嬢 (宝島社新書) / 感想・レビュー
きんばら いつき
「なぜ風俗嬢は税金を納めなくてよいのか」という裏表紙のあおりで読むことを決めた1冊。法律違反を取り締まる警察と脱税を取り締まる税務署(そして不法入国を取り締まる入管)の縦割りで「お目こぼし」となっているのは何とも馬鹿らしい。そして、そもそも白黒がはっきりしない「風俗店」という存在は日本の曖昧さ、隙間の象徴のような存在だと感じた。グレーであれば取り締まる必要はない、むしろどこかが刺激したら大変なことになる、という考えか。
2024/01/11
異世界西郷さん
中村氏の著書は今まで何冊か読んできましたが、今回の“風俗と税金”という話は非常に興味深かったです。ただ、税務署が彼女たちを認識しているけどいない者のように扱う様は、司馬遼太郎の『胡蝶の夢』に出てくる被差別階級の人たちとダブってしまいそこがすごくもやっとしてしまいました。例によって、この本でも何名かの風俗嬢のインタビューがありますが、思ったのは、どこの世界でも成績を上げられるのは「目的意識」と「頭の良さ」と「本人の懸命な努力」ということでした。こんな“ええ子”に相手してもらえたら客も幸せだろうと思います。
2015/09/05
たか
セックス産業にもヒエラルキーがある。下は地方のピンサロから上は都市の高級ソープまで、この世界も需要と供給が明確な社会だな。
2017/08/15
てくてく
性風俗で働く女性というよりも経営側から見た風俗業界分析本。昨今の取締りとそれへの対応について触れられているため、それなりに楽しめた。ただ、生活保護申請に訪れた女性に対して風俗で働けるでしょ、というような発言があったことが過去にあったが、女性ならば風俗である程度の生計を立てることができるという考え方はおそらくは既に古いのだろうとは思った。
2015/04/23
はな
行政や警察や税務署と風俗産業の関わりなど、新しい発見があった。風俗嬢が個人事業主扱いで、税金支払いのお目溢しを受けていることやその原因が縦割り行政にあることなどが知れて興味深かった。デリヘルの開業の資金シミュレーションなども思った以上に投資金額が多くてびっくりした。マンションを借りて女性がいれば開業できたのは昔の話しらしい。
2021/02/28
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