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奪取 ~「振り込め詐欺」10年史 (宝島SUGOI文庫)

奪取 ~「振り込め詐欺」10年史 (宝島SUGOI文庫)

奪取 ~「振り込め詐欺」10年史 (宝島SUGOI文庫)

作家
鈴木大介
出版社
宝島社
発売日
2015-03-05
ISBN
9784800239143
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奪取 ~「振り込め詐欺」10年史 (宝島SUGOI文庫) / 感想・レビュー

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緋莢

図書館本。こういう系統の本を集中して読んでいるので、勿論知っている情報も多かったのですが、初見の情報を含め、全体的に興味深く読めたのは、著者が〝振り込め詐欺”に関わった人間に取材し、そこを主軸として書いているからでしょう。東京都中野区で大規模なオレオレ詐欺の 研修期間があり、通称「オレオレ中野学校」なんていうのが出てきて、おいおいと思いました(続く

2024/10/10

だまし売りNo

振り込め詐欺被害が広がっているのに依然として被害者が出ることは、被害防止の訴えが説得力を持たないためでしょう。何しろ警察官自身が振り込め詐欺をしています。京都府警山科署勤務の巡査長は2018年11月に特殊詐欺対応を名目として70代の高齢男性から現金1180 万円をだまし取りました。神奈川県警第1交通機動隊の巡査(24)は2019年10月に「振り込め詐欺の犯人を捕まえた」ため、キャッシュカードの保全措置をすると偽り、高齢者からキャッシュカードを受け取った。

2021/08/01

Ikuto Nagura

すごいね。何にでも歴史はあるんだ。本書は、振り込め詐欺が組織化され、手口が洗練(?)されていく過程を記す“産業史”であり、それを生業とする人たちを通して日本社会の問題点を衝く“プロレタリア文学”だ。「企業活動としての振り込め詐欺組織の理念や組織論は、もはや一般の企業がぬるいと思えるほどに、卓抜したもの」であり、そこに“就職”して“働く”人たちの労働意欲や能力の高さも、一般企業の役職員以上。そんな能力の高い労働資源が、詐欺グループに供給され続ける背景にある様々な社会問題。正に「なんという消耗と損失だろう」。

2015/04/28

JunTHR

凄い!!まず「振り込め詐欺」の現場にいる人間たちへの取材。末端からトップまで幅広く取材し、話を聞くことで、「振り込め詐欺」の大枠を見事に明かしている。ここまで複雑に組織化され、高度に技術化された犯罪だとは…。そして「神部君」を中心とする3人の若者たちのストーリーは到底信じがたいような展開で転がり、その現場の生々しい姿はこれで一本の立派なノンフィクションとして成立している。続編?的な新刊の『老人喰い』も読まねば。そして、鈴木大介というライターの熱量には心底痺れた。他作もどんどん読んでいくことにする。

2015/03/15

Yasutaka Nishimoto

振り込め詐欺の組織的な発展の様子が分かる。携帯電話やATMの規制も乗り越えて、その仕組みが変化していく様は、ある意味企業努力に近い。富が高齢者に集中してしまったからこそ、取れるところから取ろうというのも、考え方としては分かる気がする。許してはいけないことだけど。

2017/04/05

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