『このミス』が選ぶ! オールタイム・ベスト短編ミステリー 黒 (宝島社文庫)
『このミス』が選ぶ! オールタイム・ベスト短編ミステリー 黒 (宝島社文庫) / 感想・レビュー
やきいも
やはり横山秀夫の『第三の時効』が印象に残った。殺人事件の時効がきれたら事件の犯人が被害者の妻に連絡してくるだろうとにらんだ警察は...というストーリー。2014年のアンケート「オールタイム・ベスト国内短編ミステリーベストテン」にランクインした作品を収録した本。日本の短編ミステリーの豪華なアンソロジー。その他にも鮎川哲也の『赤い密室』も密室好きの自分には印象的だった。
2015/10/02
yumiko
赤バージョンがすごく面白かったので、楽しみにしていた黒バージョン。お気に入りは横山秀夫の「第三の時効」。先の読めない展開にグイグイと引き込まれ、捻りに捻られたラストに唸った。こうしたベスト物は古い作品が有利になってしまうものだけれど、唯一の2000年代作品なのも頷ける。旧作を読み返したくなった。鮎川哲也の二作は既読だったのが残念。短編では「五つの時計」が好きだけれど、このミス読者の好みではないのかな。大坪砂男の「天狗」には唖然…。この気持ちの悪さは他にはあまりないかも。個人的には赤バージョンの方が好み。
2015/12/17
のっぱらー
以前に北山猛邦、村崎友両氏のトークショーで密室モノのオススメとしてあげられていた「赤い密室」が収録されていたため、図書館で借りてきたもの。「赤い密室」はこれぞミステリのお手本的な、ある意味優等生な作品だったが、同じく鮎川哲也の「達也が嗤う」の方が、かなり挑戦的な内容で好みだった。「天狗」はあまりにも突飛なトリックに唖然。「第三の時効」は、短編ながら、これでもかとばかりのどんでん返しっぷりに、2000年以降の作品として唯一ランクインしているのにも納得だった。
2015/06/23
HANA
今回は「達也が嗤う」と「第三の時効」のみ未読。相変わらず未読既読を問わず凄まじいリーダビリティの作品ばかりであった。「達也が嗤う」は「妖婦の宿」同様懸賞小説という事だが、そう考えて読むとメイントリックにある共通点があるように思える。「心理試験」はほとんど暗記しているがそれでも読んでいて引き込まれるし、「赤い密室」はメイントリックは覚えていたものの本当の凄味は読者を誘導する物だったという事を思い知った。「天狗」はやはり文体の勝利だし、「第三の時効」は横山秀夫を追いかけたくなる。名作の底力を味あわせてくれた。
2015/05/24
yucchi
鮎川氏の2作と乱歩は既読。私にしては珍しく内容を覚えていた(笑) 横山氏の『第三の時効』がよかった。楠見こえーよ((((;´・ω・`))) 大坪氏の『天狗』はなんというか動機が凄い。私の読解力があっているのなら、腹壊してトイレ駆け込んだら、先に入ってた女に罵倒されたから殺そうと思ったって事だよねぇ...。中二病的な動機なのにトリックは凄いというこのギャップ。読み難い文章だけどなぜか惹き付けられる。このアンソロジーは『赤』とあわせて定期的に読んでいきたい(^_^)
2016/10/26
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